編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

地域NO.1の秘密に迫る!:清水 貫(しみず かん)塾長 「誉田進学塾」(千葉市)

【誉田進学塾】人材は即戦力でなく、塾内で育てるべし!!

誉田進学塾は、かつて清水貫塾長の母親が創設した小さな塾だった。ほとんど家族経営的だった塾が今では、その質で全国に知られる進学塾となった。今回は、その母親にまつわるエピソードも交えて、さまざまな興味深い話を聞くことができた。この取材には、まだまだ続きがありそうな予感がする・・・。

出店は物件と人材のバランスが不可欠

千葉 現在の塾の規模について、校舎数と生徒数などを教えてください。また、創業何年になりますか? 人材の確保と校舎展開の関係についてもお願いします。

清水 創立38年、11拠点で15校舎です。生徒数は約1600名。2〜3年前集中的に新校舎をだしましたが、それはたまたまのタイミングで、物件との出会いがあったからなんです。新規開校には人材もそれだけ必要なので、物件があった時にすぐ出せるように必要な人材を準備しておくというのが目下の課題ですね。

千葉 人材といえば、ブラック問題などで、塾業界に優秀な人材が来ない傾向もありますね。

清水 そうですね。だから当社では、採用してから塾内で育てるという方針にしています。うちで育てて能力を伸ばすということです。そのため採用の際は、教務的な能力よりも人間性を重視しています。ちょうど現在はその育てるしくみに力を入れている時期にあたります。

千葉 内部で育てる場合の研修にはどのようなものがありますか?

清水 教務研修をかなりやっていますし、模擬授業研修も当然やっています。さらに毎週五教科別の教科研修も行います。高校部では高校生のやる気を引き出す研修などもあります。

他県はどうかわかりませんが、千葉県の高校入試ではかなり難易度の高い、考える力を要求する問題が出題されています。千葉高などトップ高校では倍率も非常に高い上、その場で未知の問題を考える力を養成しておかないと解けない問題も出されますから、指導力で大きな差がつきます。

塾内にジャズのカルテット??

千葉 指導する教師に求められるのはどんなことですか?

清水 一方的にパフォーマンスで教え込むのではなく、授業の中で、生徒自身が物ごとの本質をわかるまで考えさせ、さらに生徒のやる気を引き出せる教師にしたいですね。したがって、研修は、教え方の技術中心ではなく、生徒に、その場で、未知のことを考えさせる指導の方法論といったものになります。

例えて言うなら、同じものが起源でも、テニスと卓球は全く違いますね。他塾と当塾はそういう違いがあるかもしれません。オーケストラの指揮者のように決められた予定調和を忠実に目指す教師がいるとすると、当塾はまるで一定のコード進行だけ決めた上で即興演奏をするジャズのカルテットのような教師たち・・・つまりその場でどこまで引き出せるかを追求していくわけです。毎年1回、社員合宿研修もあります。春先に全社員で他塾などを訪問して研修します。もちろん夜は宴会で盛り上がりますが(笑)。貸切バスで出かけたり新幹線で出かけたりですが、早く新幹線1両貸し切りにしたいですね。

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