編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

奈良県NO.1の秘密に迫る!:小椋 義則(おぐら よしのり)塾長 「KECグループ」(生駒市)

【KECグループ】エデュケーション×エンターテイメント

奈良県北部を中心に28教室を展開し、国公立中学校への合格実績は西日本№1クラスのKEC。奈良県南部を中心に11教室を展開し、地域トップ高校へ高い合格実績を誇る志学館。2016年10月14日、奈良県の歴史ある2つの学習塾が経営統合し、奈良県最大の学習塾として新生KECグループが誕生した。今回は、グループを率いる小椋代表への取材を通して、KECが35年以上もの間、奈良県の塾業界を牽引し続けることができている秘訣を紐解いていく。

根底にあるのは「人間大事の教育」という確固たる理念

千葉 KECゼミナールについて語っていただく上で、まずはその企業理念が印象的だと感じました。「人間大事の教育」とは、具体的にどういったことを意味するのでしょうか?

小椋 創立以来、企業理念として掲げている「人間大事の教育」は、言い換えれば、生徒全員に本物の自信と人間力を育む教育です。グローバル化が加速する21世紀において、子どもたちが前向きに未来を切り拓くためには、「自信」と「人間力」の育成が重要であると私たちは考えます。自らを肯定的に捉え、困難があっても積極的にチャレンジし続けるための自信。どんな時も、他人を思いやる優しさや道徳心を忘れない人間力。この2つがあれば、これからどんな時代が訪れようとも、自主・自立した人間になれます。子どもたちの学力を引き上げ、受験を成功に導くことはもちろん大切です。しかし、本当に大切なのは、今の生徒たちが実社会に出てからも力強く前に踏み出し続け、それぞれが望むフィールドで活躍できる未来へと導くこと。それを実現することが、人間大事の教育、つまり弊社の教育コンセプトである「10年・20年先にも続く自信を育てる」ということなんです。

G-PDCAサイクルが全ての行動指針

千葉 KECグループが見据えているのは、志望校合格だけではなく、その先に広がる10年・20年先の子どもたちの未来なんですね。この教育コンセプトは、どのように受験指導に落とし込まれているのでしょうか?

小椋 努力した成果を全力で褒める、頑張った成果をきちんと認める、「次はこう変えたら上手くいく」という気づきを与える、自ら手にする成功体験をたくさん積み重ねる。そうすることで、自信の根源である「自己肯定感」が育まれます。KECでは、そのフローを網羅した「G-PDCAサイクル」という学習習慣を身につけるための指導を行っています。まずは、テストや受験勉強を始める前に、目標(Goal)の設定を行います。自分のあるべき姿を思い描くことで、やるべきことが見えて、行動に移しやすくなるからです。次は、講師のアドバイスのもと、目標を達成するための計画(Plan)を自分自身で立てます。そして、その計画に基づき実行(Do)し、結果が出たら検証(Check)。最後に「計画に問題がなかったか」「計画通りに実践できたか」を振り返り、行動を改善(Act)し、また次の目標や計画を練る。この一連のサイクルですね。ここで最も重要なのは「自ら目標に向かって努力する力を養うことができる」という点。自分の力で目標や計画を立ててそれを達成する力、成功だけではなく失敗や課題と向き合う姿勢。これらを身につけることは、単なる受験テクニックを身につけることだけではなく、子どもたちのずっと先の将来までも支えることに繋がると、私たちは長年の経験から確信しているんです。この「G-PDCAサイクル」は、子どもたちだけではなく、私も含めた社員一人ひとり、そしてKECグループという組織においても完全に確立させています。

千葉 まずは生徒自身に考えさせる、というところがポイントですね。困難な時、自分で考えて、努力して、壁を乗り越えていく。この一連の体験によって「自分にも出来た」という自信が芽生える。それを繰り返し体験させてあげることが、KECグループが求める教育であるということがよくわかりました。

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