【大村伸介】「承認」とは何か
前号では、受け取り方のギャップについて書きました。
「ほめたつもりなのに…」
「想いを届けたはずなのに…」
保護者講演会や教職員研修などでもこの話題は大変盛り上がります。それだけ、生徒やわが子へのみなさんの想いが溢れているのです。そして、まっすぐに届けたいと思っているのに、届かないジレンマ…。今号では、みなさんの想いをまっすぐに届けることにフォーカスします。
「承認」とは
しょう – にん【承認】
[名](スル)
① そのことが正当または事実であると認めること。
② よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
③ 国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。
【出典】小学館デジタル大辞泉
日常会話の中では、①と②の意味で用いられます。そして、教育コーチングでは、②を意味します。ほめることも含まれますが、突き詰めれば、「承認」とは「ありのままを見て、留める」ことです。「結果にかかわらず認める」「ありのままを認める」そんな承認です。「存在承認」といいます。障害にぶつかったり、失敗したりした時に、立ち直る力を「リジリエンス」と言いますが、その源泉は自己肯定感です。自己肯定感を育んでいくためにも「存在承認」は不可欠です。承認は、人間が生き生きと「より以上」を目指していくための必須栄養素だといえるかもしれません。