嗚呼!華の応援団~第29話~

我々が三回生の時、応援団にTというETによく似た後輩が入団してきた。その頃はまだETなんて知らなかったので、彼のあだ名は「ミニラ」だった。そう、あのゴジラの子どものミニラだ。こいつ、身長が160センチ足らずなんだけど、声だけは立派な大人。とても女にモテそうな顔をしてなかったが、ある時、バイト先で可愛い彼女をゲットしたらしい。

ある日、なにかの拍子に私たち三回生の知ることとなった。

私「おい、二年。一回生は女つくるなとは言わんが、ワシ等や幹部にはバレんように気をつけろ言うとけや」

二回生「押忍っ!」

Tの彼女は我が同志社と道を隔てて隣接する、同志社女子大の一回生だという。Tは下宿の近くのすし屋でバイトをしていて、Uちゃんという可愛い子と知り合ったらしい。Tは九州から出てきた田舎者でまだまだおぼこく、彼女ともプラトニックな付き合いが続いているらしい。

さてさて、その寿司屋。実は最初、おさむちゃんがバイトしていて、自分が都合が悪くて休まなければならなくなって、代わりにTを行かせたことからTも働くようになったらしい。

おさむちゃんは「俺もUちゃん狙ってたのに、Tに先越されたずら。さすがに後輩の彼女は盗れんしのぉ。惜しいことしたっぺ」と悔やんでいた。

そんなある日、ランチタイムの集合時間におさむちゃんが無断で欠席した。さすがに三回生ともなると下級生の前で恥をかかされることは少ない。リーダー部長が、集合が終わった後で私に耳打ちした。

「Nが休んだ理由だけは後で報告せぇ」

私は妙な胸騒ぎがして、おさむちゃんの下宿を訪ねた。案の定、おさむちゃんは爆睡中。

私「おい、起きろ!」

おさむちゃん「んー、むにゃむにゃむにゃ」

私「起きろってば!」

その時!おさむちゃんの布団の中から、なんと女の子がっ!

女の子「きゃあーー!」

私「★○◆□▲◎!?」

その顔に見覚えあり!TのUちゃんだよ。

おさむちゃん「あー、ばれちゃったよ。すまん、岩井。また殴っていいよ。そのかわりTには内緒にしてくれへんか?」

先輩の面目、丸潰れ(泣)

 

続く〉

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次回配信は6月14日を予定しております。