【森上 展安】早慶上理は軒並み大幅減 23区内大学合格者減少

例年、大学入試の結果には一喜一憂させられるが、今春の場合、ほとんどの高校が東大・難関国立大実績に次ぐ目標としている早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科)への合格者数を大幅に減少させたことは関係者に驚きをもって迎えられた。23区内の有名私大が定員の厳格化を実行した結果で、この影響は付属系属校人気への傾斜、進学校人気の陰りとなって今後募集などに影を落とす恐れがある。

逆風の中でも前年増の高校

こうした私大合格実績へ逆風の吹く中、それでも有名私大実績を伸ばした高校はどこか。

増加人数で見ると、前年比154人増を実現した東邦大東邦。なんと前年実績284人のところ、今春は438人と激増している。前年比で154%の増。次いで116人増の攻玉社。230人の前年実績に対して346人の合格者数を出した。

三番目は97人増の桜蔭、前年比138%の増、252人から349人へ伸長させた。その次は82人増のフェリスで139%。209人の前年実績を291人まで伸ばした。この次は都市大付で65人増。93人の前年実績を158人に伸ばした。

その次は46人増の東京農大一。東大実績を4名出したのも注目だったが、101人の前年実績を147人まで伸ばしている。次いで44人増の海城。41人増の富士見、36人増の田園調布雙葉、28人増の開智未来、26人増の鎌倉学園、25人増の市川、23人増の栄東、22人増の渋幕、20人増の国学院久我山…。いずれも注目されるべきだが、桜蔭、フェリス、渋幕など難関校はさておき、特に都市大付、東京農大一、富士見、栄東、開智未来、鎌倉学園、国学院久我山などはこの逆境の中の増大ですごい。

 これは減少校の減少幅を比べてみればわかる。前年比で2割以上の減少校もあるが、3~4割台も上位校で珍しくない。最大の減少校は136人(延べ数。以下同じ)減の私立共学校。次いで122人減。次は119人減や117人減など。こういった大幅な減少校さえあって、この春の私大合格実績はショッキングな事態となった。

 そういってもピンとこないかもしれないので、136人の減少をみた私立共学校の場合、卒業生対比にして84・8%の早慶上理合格率が一挙に56・5%まで低下したのだ―そのように見えてしまうことが大変なことだ。次いで大きな122人の減少校である私立共学校の場合も、卒業生対比67・3%の前年の早慶上理合格実績に対して、これが48・8%にも低下―したように見える。

もともと延べの合格者数なので数字自体は実際の数より大げさだとは誰もが理解しているものの、今回のように大学自体が合格者数を絞り込んでくると、今度は実際の合格者数実数の減少より減少幅が拡大して映るのが何とも痛いところ。この早慶上理の合格者比率は首都圏の私学にとって魅力の源泉の一つだっただけに、この事態をどう乗り越えるか、いわば共通の課題であろう。

ところで早慶上理の合格比率が卒業生数を100としたとき100%以上となっている私立中高一貫校は昨年で25校、今年は20校しかない。同様に90%台の学校は昨年6校、今年は5校。80%台の学校は昨年5校、今年は6校。70%台では7校、今年は9校。60%台では昨年5校、今年5校。50%台では昨年4校、今年5校。40%台では昨年8校、今年8校。30%台では昨年10校、今年7校というように見てくると、わかることは早慶上理大量合格輩出校に最も大きく影響したことがわかる。しかし、先ほどの例に挙げた大幅な減少校の共学校2校は各々前年の合格比率は80%台と60%台で、いずれのゾーンでも実は実績校数は1校増えている。つまり実績校数が大きく変わらないゾーンでも学校自体の入れ替わりは激しかったということだろう。

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