【大村伸介】アクティブ ラーニングと 教育コーチング

隔世の感

新年度を迎え、ご挨拶も兼ねまして、4月から5月にかけて、積極的に学校の先生方を訪問しました。

 一部の学校・塾は既に、教育コーチングやアクティブラーニング、反転授業等の研究・実践へと舵を切っています。某私学の校長先生はこうおっしゃいました。

「これまでと同じ授業でいいはずがない。教員には『今変わらなければいつ変わるんだ』という気持ちで学び、変革してもらう。そのチャンスは十分提供し、それでも変わろうとしない先生には辞めてもらう」

その一方、こんな先生もいらっしゃいます。

「日本の教育がどうなるか分かりませんが、とりあえず生徒の成績だけ上げておけば何とかなるでしょう」と笑う先生。

「ゆとり教育も、脱ゆとりも失敗した。今回もどうせ失敗する。下手に動くとバカを見るだけだ」と興味を示さない先生。

「日本の偏差値教育が変わるわけがない。いい加減なことを言うな」と私に怒る先生まで…。

実はこれ、昨年5月号の記事です。1年前は『一部の学校』が新しい取り組みへの舵を切っていました。今年はどうでしょう。訪問させて頂いた『ほとんどの学校』が、何らかの形でICT教育、反転授業、そしてアクティブラーニングといった新しい取り組みへの舵を切っています。

そして昨年度に舵を切った学校は、その加速度を増していました。その取り組みの一部を紹介します。

  • ○ 学校全体を挙げて、ほとんどの先生がアクティブラーニングに取り組んでいる。
  • ○ 国語科ではジグソー法を取り入れたことで、生徒全体の点数が向上した。
  • ○ 数学科では生徒が問題を作り、別の生徒がその問題を解くという取り組みによって、出題者の意図を組めるようになってきた。
  • ○ たとえば社会を英語で教えるといった他教科とのコラボレーションも行っており、生徒の学習意欲が高まった。
  • ○ なにより授業が楽しいので、宿題をやってこない生徒がいなくなった。
  • ○ 本校の生徒は従来、おとなしくてまじめで、積極性がなかった。それが、変わってきた。そのことに、保護者の反応も非常に良い。
  • ○ 他校の先生との交流も活発になってきて、頻繁に情報交換を行っている。そのことが刺激になっている。

 もういいことずくめです。もし自宅から近ければ、ぜひうちの娘をお預けしたい、とお世辞なしに思いました。

「現状、10点満点だとすると何点くらいですか」

この記事をお読みのみなさんなら、自校や自塾での取り組みにこのような成果が出たら、10点満点中何点をつけますか。

訪問先の学校の平均値は、

「4点から6点くらいですね」

というものでした。

その理由は、主に以下の通りです。

  • ○ 結局、借りてきた知識でプレゼンなどもしてしまう。なので説得力に乏しい。
  • ○ 出た結論に深みがないと先生方が思っている。でもそれは生徒たち自身が自覚しないことには始まらない。
  • ○ 調べ学習から考える学習への転換期に差し掛かっている。

 非常に冷静に、自校の取り組みを分析しておられるのと同時に、その先へ進化・深化しようとしています。

 ある学校の教頭先生は、こうおっしゃいました。

「最後のピースが埋まっていないという感じがしている。アクティブラーニングという一本の筋はできた。それを支える土台があれば…」

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長

集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員

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