【山口 時雄】第9回 21世紀の日本を支える「教育の情報化」って何?②

教育の情報化が目指すもの

「教育の情報化ビジョン」では、教育の情報化が目指すのは、「情報教育(情報活用能力の育成)」、「教科指導におけるICTの活用」「校務のICT化」の3つの側面からの“教育の質の向上”だとしている。

「情報教育」とは、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の3要素で構成された、ICT化が進む社会への対応力を育成するもの。

誰がやるのか。もちろん教師である。

更に、「教科指導におけるICTの活用」がある。

これもやるのは、もちろん教師である。

「教科指導におけるICTの活用」とは、各教科の目標を達成するために教師や児童生徒がICTを活用するもの。目指すところは、「ICTを効果的に活用した分かりやすく深まる授業の実現」だという。ICTの“通信”や“デジタル”という特長を活用して、「課題解決に向けた主体的・協働的・探求的な学びの実現」「個々の能力・特性に応じた学びの実現」「地理的環境に左右されない教育の質の確保」となっている。

「校務のICT化」とは、教育情報のデジタル化や校務支援システムの導入、ICTの活用による情報共有によってよりきめ細かな指導を行うことや、教師の校務負担の軽減を目指すものだ。

教育の情報化の目指すところといえば、2016年6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」でも示されている。そこでは、未来社会を見据えた初等中等教育改革では、社会や世界の変化に対応した教育を地域・社会と連携したり、アクティブ・ラーニング視点による学習や、個々の学習ニーズに対応した教育を実現するとともに、必要な情報を活用して新たな価値を創造するために必要となる情報活用能力の育成(プログラミング含む)が必要だとしている。また、ITや外部人材の活用で多忙な雑務から教員を解放し、教員の負担軽減と授業に向き合う時間確保が重要だとしている。

その他に2020年までの達成目標として、「授業中にITを活用して指導することができる教員の割合100%」、「都道府県及び市町村におけるIT環境整備計画の策定率100%」、「無線LANの普通教室への整備100%」を目指すとしている。

2015年度の文部科学省の調査結果では、「授業中にITを活用して指導することができる教員の割合」は73.5%、「IT環境整備計画の策定率」は32.6%、「無線LANの普通教室への整備」は26.1%となっている。

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山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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