嗚呼!華の応援団~第30話~

応援団に入って得をしたことは?って聞かれたら、多くの応援団経験者は必ずこう答える。

「いい会社に就職できたことである」と。そう、応援団経験者は就職時には抜群の力を発揮するのだ。この話はまた後日。

ところで、我らがおさむちゃんも見事に超有名な某航空会社に就職を果たした。

ところが、卒業間際になって単位を一つだけ落とし、もう半年だけ卒業が先送りにされてしまったのだ。会社側は温情をかけて、四月からの半年を研修生として雇用し、九月の前期試験の結果で卒業を確定した後に、おさむちゃんを正式に社員として雇用することを決めたらしい。

そんなこんなでおさむちゃんは四月から張り切って大阪まで通勤を始めた。留年していた私は、彼のスーツ姿が眩しかった。

やがて夏休みも終わり、いよいよ前期試験の季節がやってきた。試験の真っ最中だというのに、私とおさむちゃんは毎晩近くの雀荘で徹マンの連続。

私「おさむちゃん、明日は大事な試験やろ?今日は早よ帰りぃな」

おさむちゃん「おお、悪いけどそうさせてもらうわ。さすがに明日だけは頑張らんとまずいしな」

私「ほんまやで。これで採用取り消しになったら、しゃれで済まんからのぉ」

おさむちゃん「岩井の下宿で寝かせてもろて、朝起きて行ってくるわ」

私「わかったで。試験、頑張れよ!」

私はその日もお昼近くまで近所のおじちゃん・おばちゃん相手に徹マンを打ち、ふらふらになりながら下宿に戻った。

私「!?」

お、お、おさむちゃんが寝てる!ま、まさか!?

私「おい!試験はどうしたんや!?」

おさむちゃん「んー、むにゃむにゃむにゃ…」

私「起きろっ!」

おさむちゃん「……。Uちゃん、もうちょっとだけ寝かせてん……」

私「Uちゃんじゃねぇ!」

おさむちゃん「へっ!?今、何時!?あっ、あれっ、ここどこっ!?」

こうしておさむちゃんの留年は決まった。もちろん、某航空会社は彼への内定を取り消した。

半年後、おさむちゃんは義理の兄の経営する地元のスーパーで、正札を貼っていたとさ。寝坊で人生を変えた男。その名は「おさむちゃん」という(泣)

 

続く〉

―――――――――――――――――――――――

次回配信は6月21日を予定しております。