【林 隆樹】グローバル人材の必要性と実態

― 保護者を満足させ受験を見据えた海外留学のすすめと取り組み方 ―

前回まで

具体的に手にとって見ることもできないし、模擬体験もできない「留学プログラム」なので、参加希望者には「プログラム卒業生」の体験談が重要になってくる、という話を前回しました。それでは実際の体験談をこの紙面上でやってみましょう。一般に、体験談を語るのは大学生が多いようです。参加者も高校生ですから、多くが留学してその先の大学受験に関心があるのも当然です。ただ大学を卒業して社会でどんな活躍をしているのか?ということも、このプログラムを語るには大切です。日本でもっとも歴史のある(公財)AFSであれば1954年に第1回の留学生8名を派遣していますから、その留学卒業生は80歳を越えています。私の場合であれば、一番上の卒業生は40歳を越えています。これからそれぞれの年代の体験談をいくつか紹介していきましょう。

7年後にアメリカ1学年間
高校留学を振り返って
(留学で何を得たのか、そしてそれは何故得られたのか?)

以下は、2017年度版当協会の案内に掲載した記事を一部省略したもので、インタビュー形式で7年前にアメリカに1学年間の留学をしたプログラム卒業生にその経験を語ってもらったものです。「留学プログラム説明会」も全くこんな感じで進めます。

留学はなりたい自分になるための試練である“Just belive in yourself!”

林 : ヨッシー、結論から言って、留学して何を得たんだろう?おそらく、それが一番、留学に迷っている人達が聞きたいことなんじゃないかな・・・。

ヨッシー : はい、ぼくは留学へ行く前は、留学で何を得られるのかといえば不自由のない英語力であると思っていて。しかし、ぼくにとっても友人である多くの高校留学経験者にとっても、高校留学で獲得したものは決して英語力が中心的なものではありませんでした。

それは、自分への自信みたいなもの、世界のどこでも生きてゆけるぞ、という「生きる力」みたいなものだと思います。現在、ぼくは大学院で日英の外交史の研究をしていて、昨年、上級職国家公務員試験に合格しましたが、留学前の自分では絶対に考えられないことです。留学を通して、親から離れ、困難な状況の中で、もがきながらも、なんとか乗り越えたという「成功体験」があったから、その後いろいろな困難にぶつかっても、「自分ならきっと頑張れば乗り越えることができるだろう」と思えるようになったのだと思います。

林 : なるほど。多くの高校留学プログラム卒業生も、始めの留学動機は「英語がペラペラになりたい」とかが多いけど、実際帰国して何を得たのかと尋ねると「自信」とかいいますね。もちろん、英語も上手になっているんだけどね・・・。

ヨッシー : はい。ぼくは高校2年生で留学しましたが、きっと16歳という年齢でしか、この感覚は得ることはできなかったと思います。中学生だと早すぎるし、大学生だと遅すぎる・・・。

林 : なるほど。自己形成の時期だね。それにしても留学前ってヨッシー、かなり普通というか、どっちかっていうといまひとつというか・・・。

ヨッシー : はい。留学前は、いわゆる落ちこぼれ生徒でした。また、その価値基準を持つ親や先生の期待に応えることができない自分に対して、反発するわけでもなく、ただただ自信のない高校生でした。

林 : そのいわゆる「落ちこぼれ」が留学でどうやって困難を乗り越えることができたんだと思う?

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林 隆樹(はやし りゅうき)

(一社)日本青少年育成協会 理事・国際交流委員会委員長

1956年東京都生まれ。早稲田大学大学院在学中にフランスに1年間留学、帰国後翻訳会社に勤務。

1992年、サンフランシスコに本社を持ち、世界各国に展開する英語学校の日本支社長に就任。

以降、留学業界で活躍。2001年社団法人日本青少年育成協会国際交流委員会、2004年より同協会理事に就任、現在にいたる。

2000年より一般社団法人JAOS海外留学協議会事務局長、2013年より専務理事。

2011年、一般社団法人J-CROSS留学サービス審査機構の立ち上げにかかわり同機構理事。

2014年より、特定非営利活動法人文際交流協会理事。2017年より学校法人イーストウェスト日本語学校理事。著書に「成功する留学、交換留学編」(共著)などがある。

hayashi

▼『林隆樹』の過去記事を読む

【2017/8月】グローバル人材の必要性と実態

【2017/7月】グローバル人材の必要性と実態

【2017/6月】グローバル人材の必要性と実態

 

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