嗚呼!華の応援団~第40話~

寡黙な、ゴリラ。

 

とうとうその日が来てしまった。またまた現世と隔離される一週間の始まりだ。

しかも今回は後輩がいる。絶対にヘタは打てない。

今回の合宿は、三回生も二回生も4人のため、4班に分けられた。

 

私の班の班長はM三回生。この人がまぁ糞真面目で、必要なこと以外一切喋らない御方。

したがって、部屋にいる時間がなんとも重苦しい。

Y三回生やK三回生の班からは、時折笑い声が聞こえたり、たまには三回生の奢りでジュースにありつけたりしている。

でも、ウチの班はMさんが一人黙々とタバコを吹かし、

タバコを手にする度に一回生が「押忍っ!」と、マッチで火をつける。

そんなことの繰り返しで、会話という会話がない。寡黙な人って超苦手。

今も変わらず。何考えてるか、わかんないんだもの。

そう言えば、新学年のリーダー部長のMさんもかなり寡黙な人である。

人っていうか、その風貌はまるで「ゴリラ」。

練習が始まると、まず数十秒間じっと何かを考えている様子。そしておもむろに、

「腕立て、1000

1000!?千て何よ、千って!腕立て千回やれって!?んな、あほな!

「いーち、にーい、さーん、しー……」

始まっちゃたよ、おい。ホントに千回やるのね。

「……、せーん」

お、お、終わった。死ぬ。もう、腕の筋肉が自分のものじゃないみたいや。

つ、次は何や?さすがに筋トレ終えて、リーダー練習かなぁ。

Mさん「…」

下級生「…」

Mさん「腹筋、1000

はぁ?何ですと?

「いーち、にーい、さーん、しー……」

またまた始まっちゃたよ(泣)。まさか、この人には人間の感情がないの!?

「背筋、1000」「うさぎ跳び、1000

とうとう死者が出るのか。やっぱり、このおっさん、人間ちゃうわ。

チンパンジーでも、もう少し脳みそあるで。ゴリラや。

風貌だけやなかったんや。頭の中も完全にゴリラやったんや。

MT男、恐るべし。マネーの虎・南原某よりも冷徹な虎ならぬ猿がここにいた。

こうして、二回生になっても相変わらずの地獄が待っていたのである。

 

 

続く〉
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次回配信は11月1日を予定しております。