【森上 展安】首都圏中受伸びる ― 模試情勢は大学付属、共学人気

実質3.3ポイント増

 首都圏私立中学受験者数は、来年度実質3.3ポイント増の大幅増となりそうだ。もっとも人口減が2.8%あり、実数は0.5%増だが、差し引き実質3.3%の伸びとなり、大幅となった。

 その最大の理由は、2020年からの大学入試改革ということになりそうだが、実際、鮮明な人気を示しているのは大学付属校であり、一方の進学系では、共学校志向(人気)が昨年は女子に、今年は男子に目立つ状況になっている。

 その結果、とりわけ非系列の女子進学校の志望が伸び悩み、特に共学校との競合が多い中下位校では女子校不人気が強まっている。

 もちろんこれは大学付属共学校による共学人気も一因であるが、進学系の人気共学校をみると、例えば安田学園は今春卒業生の高1生4月時点の学力分布と、現在のコース制にした現高1生4月の学力分布を比較し、東大・京大などに合格する学力層が6倍近く厚みを増している、と説明会でアピールしていて、さらに言えば英検取得率の目標値を中3生時点で2級とし、達成率83~86(コースによって若干異なる)%を同時に伝えており、「論より証拠」の説明を行っている。

 一事が万事で、共学進学校人気は、出口の訴求もさることながら今後の出口の予想値を示しながら受験生保護者の期待に応えようとしており、特に今春は23区内私大定員厳格化で実績減の学校が少なくなく、今後の見通しを示すことが何よりも重要になっている事情がある。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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