【山口 時雄】第15回 いま必要な情報リテラシー 校長先生からSNSを使ってみよう
SNSって何?
新学習指導要領では、「言語活動」と同等に重要な学習の基盤となる資質・能力について「情報活用能力(情報モラルを含む。)」を明記しています。SNSを上手に使いこなすことは「情報モラル」を学ぶ第1歩と言えます。
SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略。人と人のコミュニケーションを創出する媒体のことで、おもにスマートフォンのアプリを利用して、自らのプロフィールや写真を公開し趣味や地域、出身校など共通のつながりを通じて交流し合うサービスです。顔見知りの友人たちとの情報交換はもちろん、まったく知らない人たちとの交流も無数に、容易に創出されます。10代の若者が利用するSNSは、「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」が上位にランクされています。この4つのサービスで自身が利用しているものはいくつありますか。もしもあなたが、どれも使ったことが無いと言うのであれば、すぐに利用してみて下さい。いま、あなたの学校の生徒たちは、そのSNSの世界を中心に生きているのです。
総務省が今年3月に発表した、全国89の公立・私立の高等学校等を対象に行った調査結果をまとめた「平成28年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」によれば、「青少年のスマートフォン保有率は年々増加しており、本年度では全体の94.4%に達しています。また、インターネット接続機器を保有する青少年のうち89.2%が主にスマートフォンでインターネットを利用している」ということで、「1日当たりのインターネットの平均利用時間は、スマートフォンの場合、平日は2~3時間、休日は3~4時間の利用が最も多く、休日だけでなく平日の利用時間帯も増加傾向」だということです。
また、「利用時間のうちSNSが占める割合が6割程度を占めるが、その次に多いのが利用時間1時間未満では情報収集、1~3時間程度の利用者では動画視聴、4時間以上ではオンラインゲームが多い」という結果。インターネットを使ってほとんどSNSをやっていると言っても言い過ぎではないでしょう。ちなみにこの調査の結果では、「今回、利用目的で項目を新設した学習での利用はほとんどなかった」という残念な結果も明らかになっています。
SNSが高校生たちの中心的存在であることは理解頂けたと思います。