「課題解決型の入試広報」編⑤

個性を際立たせるならスタンダードを破る。

学校情報提供の大部分を担っている入学案内パンフレットですが、実際にその機能が発揮されるのは、受験生・保護者の手に渡ってこそ。つまり、合同学校説明の会場で「思わず手に取ってみたい」と思わせる、あるいは資料請求したくなる入学案内パンフレットでなければなりません。多くパンフレットの中で「埋もれない」個性を発揮させるためには、「トレンド分析」を基にスタンダードを知り、それを打ち破ることが大切です。今回は関東・中部・関西の地域別の入学パンフレット制作事情を分析していきます。ぜひ、貴校の入学案内パンフレットと分析結果を比較しパンフレット制作にお役立てていただければと思います。

圧倒的な定型サイズ“A4”神話を壊す

“資料のサイズはA4”という前提で入学案内パンフレットが制作されていることがわかります。しかし、入学案内パンフレットの制作において「A4でなければならない」という縛りはありません。自校の個性を十分に伝える手段として、自由な発想のもと変形仕様を用いている学校は、それだけで差別化に成功していると言えるでしょう。

「他の資料がA4サイズだからそろえたい」「小さい紙面では情報が掲載しきれない」という意見も聞こえてきそうですが、パンフレットを基幹媒体としWEBサイトへと誘導させる「メディア連動」型のパンフレットで解決する学校も増えています。QRコードからWEBサイトへと誘導し、最新情報を提供することは当たり前。昨今ではARからパンフレットでは伝わらない学校の雰囲気を動画で見せる学校も増えていきます。

スタンダードを理解することで、パンフレットの設計そのものを見直すきっかけにもなりそうです。

差別化が熾烈な中堅私立校

入学案内パンフレットで差別化を図るためにポイントとなるのが「キャッチコピー」の存在。特にボリュームゾーンとなる偏差値50台の学校は、他校とは異なる教育方針を強く早く届ける必要があります。特に中部・関西の、偏差値59以下の学校では60%以上の学校がキャッチコピーを用いていることがわかります。

では、キャッチコピーの中で差別化するために何が必要か。それは「自校の独自性や特長を表現する」ことだと言えます。「未来」や「グローバル」「夢」などのスタンダードなキーワードは、“学校”であればどこでも言えること。「自校にしか言えないこと」を突き詰めて言葉にすることで、教育方針ごと受験生・保護者へ届けることが可能となります。

貴校の独自価値を広報メッセージに託すために

中面を開くと「だから私は豊山女子」と続く。縛られない自由さを表現した布を使ったデザインが印象的。

オープニングメッセージに加えて、5つの教育方針を打ち出し。イラストだけの印象で終わらせない工夫を。

たとえば「日本大学豊山女子高等学校・中学校」が打ち出した“私は女子にしばられない。”というキャッチコピーは、女子教育をあえて否定し学校改革に乗り出す同校の宣言として、説明会の大幅増員などの成果に繋がる強い広報を実現しました。

また、「東京実業高等学校」では、“1st penguin spirits”という「不撓不屈」の校訓や多彩な進路実現を可能とする環境を発信するキャッチコピーを展開。ペンギンのイラストのデザインも強く印象的な表現となり、「ペンギンと言えば東京実業」というブランディングに成功しています。

「スタンダードを破る」という発想は大切ですが、あくまで自校独自の世界観や教育方針、メッセージを伝えてこその入学案内パンフレット。もし、貴校の現在のパンフレットがスタンダードに限りなく近いものだったとしたら、市場の中で「埋もれている」のかもしれません。

※調査概要:関東(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)・中部(愛知県・岐阜県・三重県)・関西(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県)の2018年度生募集私立中高入学案内パンフレット 計1079冊/偏差値:インターネット調査(弊社調べ)
※QRコードの商標はデンソーウェーブの登録商標です。


▼「クセになる入試広報の種明かし」の過去記事を読む

【2017/11月】お母さんと受験生の手のひらに、いつも最適情報を

【2017/10月】情報は鮮度が命。旬なニュースは新鮮なうちに。


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