【森上 展安】「学力を伸ばしてくれる学校」とは

「学力を伸ばしてくれる学校」とは

森上教育研究所では毎年この時期に、「学力を伸ばしてくれる学校」を公表している。それは出口である大学実績の合格校レベルを3段階に設定して、その合格状況(生徒100名あたりの合格者数)から入学時点の入口が同じレベル同士で比較し、より優れた実績を出している学校をマークしよう、という試みだ。

具体的には、入口の同じ偏差値の学校の標準的な合格実績と、当該校の実績とを比較し、標準よりよい場合、入口偏差値が何ポイント上の学校の標準値と同じなのか、そのポイントの大きさで示した。

つまり、+3ポイントだとすると、それは入口偏差値の実際より3ポイント上の偏差値の学校に入ったのと同じ結果を残した、という趣旨になる。

当然それは対象大学によって様子が異なるので、以下、早慶上智とGMARCHの2グループについて「学力を伸ばし」た学校をみていきたい。

早慶上智実績にみる学力を伸ばしてくれる学校

この早慶上智実績が標準より優れているグループでは、首都圏模試偏差値で、入口偏差値(但し6年前)が60以上65未満のゾーンにある学校が「伸ばしてくれた学校」の最多を占める。

まずは何といっても、女子もしくは女子共学校で23校もあって、とりわけ3ポイント以上になる学校は10校。高い順に、頌栄女子(5.5)、学大国際(4.5)、横浜共立(4.4)、公文国際(4.1)、鎌倉女学院(3.8)、光塩女子(3.6)、横浜雙葉(3.4)、開智(3.3)、中大付(3.3)、学習院女子(3.1)となる。とりわけ大学付属は系列大進学者以外の卒業生を母数にしているため、上記の中大、学習院にみる通り、比較的高い数値でエントリーする。

男子では同じゾーンの偏差値帯では19校を占め、そのうち3ポイント以上は8校。高い順に攻玉社(5.6)、学大国際(4.9)、城北(4.3)、桐蔭中等(4.3)、公文国際(4.2)、世田谷(3.9)、開智(3.4)、中大付(3.4)となる。

共学校の学大国際、公文国際、開智、中大付は男女ともに名が出るので、ここでは男子校のみをピックアップすると、攻玉社、城北、桐蔭中等、世田谷など男子中堅校の名が出る。

同じターゲットで次の難度、すなわち偏差値55以上60未満も、「伸ばしてくれる」学校が多くある。女子に17校、男子に10校、うち3ポイント以上では女子に10校、男子に7校ある。女子10校は高い順から成城学園(6.2)、広尾学園(5.8)、帝京大学(5.8)、湘南白百合(5.7)、清泉女学院(5.2)、富士見(4.6)、香蘭(4.4)、桐光(3.9)、共立(3.8)、国学院久我山(3.0)。

男子7校は、やはり高い順から成城学園(6.3)、広尾学園(6.0)、帝京大学(5.9)、都市大付(5.6)、桐光(4.1)、国学院久我山(3.2)、神奈川大付(3.0)となる。このゾーンは共学校が多いため、女子校のみだと湘南白百合、清泉女子学院、富士見、香蘭、共立、男子校のみだと都市大付の1校となる。そういう意味ではこの女子5校、男子1校は貴重な存在だ。

さて、次の偏差値帯である偏差値50以上55未満はエントリー校は少なくなるが、それだけにより貴重だといえよう。

即ち、女子では16校あり、うち3ポイント以上の学校に8校。男子では9校あり、うち3ポイント以上の学校は4校ある。各々高い順にあげると女子が淑徳、(5.1)、宝仙理数インター(5.0)、日大豊山女子(4.9)、恵泉女学園(4.1)。男子が桐蔭(4.1)、茗渓(3.7)、大宮開成(3.6)、順天(3.4)の4校。上記にみる通り、男・女とも圧倒的に共学校であり、女子校がわずかに日大豊山女子、恵泉の2校のみ。男子校はかろうじて桐蔭があるが、共学校に衣替えが予定されている。というわけで、このゾーンはほぼ共学校が占めている。

さらに入り易い(6年前であるが)偏差値45以上50未満でも優れて「学力を伸ばしてくれる学校」がある。女子で15校、男子で12校。このうち女子の3ポイント以上の好成績校は高い順に聖ヨゼフ学園(11.5)、中大横浜(9.6)、玉川学園(9.5)、かえつ有明(9.1)、開智未来(7.6)、目黒星美(6.7)、本庄東(5.8)、女子美術大学(5.0)の8校。女子校は聖ヨゼフ学園、目黒星美と女子美術大学付のみ。

男子の3ポイント以上の学校は中大横浜(9.9)、玉川学園(9.9)、かえつ有明(9.4)、開智未来(8.0)、本庄東(6.2)、淑徳(5.4)、宝仙理数インター(5.3)、日大豊山(4.0)となり、男子校は日大豊山のみ。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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