編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

地域の名門塾 鹿島塾 鹿嶌將博(かしま まさひろ)塾長 (名古屋市北区)

【鹿島塾】日本一働きがいのある進学塾を目指して!!

愛知県名古屋市内で45年の長きわたり塾を続けてきた鹿島塾。先代を継いだ二代目、鹿嶌將博塾長に取材した。父親からのDNAとして、徹底的なアナログにこだわった塾運営を行っている理由は、「デジタル時代だからこそ生身の人間の手による教育が必要」と言う。若き塾長の教育への情熱をお伝えしたい。

時間講師70名の半数以上が卒塾生

千葉 現在の塾の規模について、校舎数と生徒数、正社員数などを教えてください。

鹿嶌 名古屋市と清須市に9 教場、生徒数は900名、正社員数24名です。

一斉指導コースが7か所、個別指導コースが6か所あり、時間講師が70名ほどいますが半数以上は鹿島塾の卒塾生というありがたい状況です。

英語4技能対策は万全!!

千葉 いま特に注力している校舎、部門は何でしょうか?

鹿嶌 英語4技能習得に向けた小学生英語コース『SPEAK(スピーク)』を今春から全一斉教室で開講しています。現在は2グレードですが、好評につき、来春から3グレード体制に拡大していきます。これにより中学2年生まで、「使える英語をマスターしたい」というニーズに対応できるようになります。英会話と英語塾の中間、というポジションを取っています。ネイティブティーチャーによるオールイングリッシュで発話重視だけれども、読み書きもおろそかにしない、という絶妙なバランスを狙います。TOEFLプライマリをベンチマークに設定していますが、この辺は柔軟に考えています。大学入試に外部検定試験が活用されることは間違いないので、どんな検定試験にも対応できるクイックレスポンスと流暢性を身につけさせてあげたいですね。

人の手による教育をコアに

千葉 競争の激しい名古屋で、精鋭集団による指導で続けてこられましたが、現状の課題と今後のチャレンジについて教えてください。

鹿嶌 課題はたくさんあります!(笑)。大きなところを二つ。教務面では、昔から「人の手による教育」をコアにすえています。マーケットリーダーの大手は最新のタブレット機器や映像授業を導入し、テクニカルな面での競争が一段と激しくなっています。間違いなくこれからのメインストリームはこちらでしょう。私たちはニッチャー上等だと思っています(笑)。あるアンケートで「教育へのICT活用には、保護者の約3割が抵抗を感じる」と出ています。私たちのお客様はこのマイノリティのご家庭。しかし、確固たる信念をもった保護者の方もたくさんいて、「小中学生の内は、ディスプレイとにらめっこではなく、たくさんの人の顔を見て過ごしてほしい」「効率的に学ぶことも大事だけど、たくさん回り道して、その分コミュニケーション力をつけてほしい」といった声が出てきます。こうした声に真摯に向き合える塾でありたい。

研修は簡単ではなく、進化し続けるICT教育機器に負けない魅力を磨いていかねばなりません。大学入試改革に併せたアクティブラーニングの導入も含め、日々研究を重ねています。しっかりと前述の3割のご家庭に選んでいただけるような教務面の充実、これが一つ目の課題です。

もう一つは採用です。人の力による部分が大きいタイプの塾ですので、いい人材を採り、しっかり育てる。これにつきます。が、就職状況の改善に加え、塾業界≒ブラックという風潮など、外部環境のアゲンストを強く感じています。今年も新卒採用は・・・痛い目にあいました(笑)。ピンチを聞きつけ、主婦をしていた元社員が戻ってきてくれるなど、なんとか来年度も見通しは立っていますが、やはり優秀な新卒がしっかりと採れるようになりたい。そのために会社風土の健全化、そして魅力の見える化、に努めていきたいと思っています。理念や行動指針の策定は完了したので、現在はプロジェクトチームを立ち上げて、「社則」を作ってもらっています。入社1〜3年目の若手が主体で、「こんな会社だったらいいな!」という視点でアイデアが出てくる。とても面白いです。役員からは絶対出ないようなアイデア、例えば「コスプレDay」とか「朝寝坊手当」とか。こうしたものを取り入れつつ、「日本一働きがいのある進学塾」を作っていきたいですね。

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