【山口 時雄】第17回 いま校長が行うべき教師の働き方改革とICT活用

文科省の「学校における働き方改革に関する緊急対策」とは

 教師がブラック職業だなんていつ頃から言われるようになったのか。授業準備やテストの採点に時間を掛ければ処理能力が低いと評価され、「全員顧問制度」とかでやったことのないスポーツの顧問を任されても感動を生徒に与えることも自分が得ることもできず、保護者からのクレームには矢面に立たされ、給食費の未納金の督促、いろいろなところから回ってくる調査や報告書を押し付けられ、生徒が補導されたと呼び出しを喰らう。経済協力開発機構(OECD)加盟国の教育に関する調査結果でも、日本の公立の小学校から高校までの教員の労働時間は最も長いレベルだ。

 昨年末、文部科学省が大臣決定として「学校における働き方改革に関する緊急対策」を発表した。これは、中央教育審議会(中教審)がまとめた「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)」を受けたもので、「これを踏まえて、文部科学省が中心的に実施していく内容を、本緊急対策としてとりまとめ、着実に実施していく」としている。

 中教審の中間まとめでは、教師が現状で係わっている業務を「基本的には学校以外(地方公共団体、教育委員会、保護者、地域ボランティア等)が担うべき業務」、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」の3つに分類している。

 文部科学省が発表した「緊急対策」は、残念ながら具体的に「即効性のある対策」というものではない。ICT活用の記述もほとんどない。

 2017年8月に公表された中教審の学校における働き方改革特別部会の「学校における働き方改革に係る緊急提言」では、「統合型校務支援システムの導入促進」、「学習評価をはじめとした業務の電子化」、「ICTを活用した教材の共有化」などICT活用による業務改善という提案があった。

 本来教師が担わなくても良い授業以外の活動やクラブの顧問をスパッと辞めることができないのなら、せめてICTを活用して本来業務の効率化を図って労働時間の短縮を実現して欲しいものである。

1 2

山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

yamaguchi
▼『山口時雄』の過去記事を読む

【2018/1月】第16回 新年度に向け学校リーダーが取り組むべきICT活用教育

【2017/12月】第15回 いま必要な情報リテラシー 校長先生からSNSを使ってみよう

 

   ≫さらに読む