【林 隆樹】グローバル人材の必要性と実態

グローバル人材の必要性と実態
―保護者を満足させ受験を見据えた海外留学のすすめと取り組み方―

高校側から見た留学・国際交流について

前回、全国の高校生総生徒数の推移と関連付けて派遣留学(3ヶ月以上)と海外研修(3ヶ月未満)、海外修学旅行参加の生徒数推移を見てみました。今回はプログラム成立において、日本の高校のかかわりが必須の「受入れプログラム(Inboundプログラム)」についてお話しましょう。この制度についてはあまりご存知ない方も多いかもしれません。

受入れプログラムの仕組み

海外への交換留学の話をずっとしてきましたが、これの逆のバージョンと考えれば分かりやすいかと思います。(受入れプログラムの概念図参照)

プログラム形式は民間国際交流団体を通して、海外高校生を受入れる場合と、姉妹校、地方自治体・公的機関等を通しての場合がありますが、多くの場合は民間国際交流団体を通してでしょう。

詳細はここでは説明し切れませんが、ある程度それぞれの立場を説明しておきましょう。

■高校: 教育環境の提供(私立高校の場合は教員負担等の経費として1ヶ月1~2万円が発生する傾向が多く、公立の場合は無償傾向が多いようですが、それぞれです。)

受入れる高校の先生方の負担は大変なのですが、基本、海外留学・研修・旅行のように大きな費用が発生せずに、その高校、ホストファミリーになる家庭、地域にも、さまざまなグローバル学習の効果をもたらします。

■ホストファミリー:交流団体が地域で探す場合、高校が生徒・卒業生等の家庭から探す場合等いろいろです。無償ボランティアが基本ですが、実費(食費等)負担援助として1ヶ月1~2万円が発生することもあります。

■外国人留学生: 日本語力はまちまちですが、基本的に全ての授業、部活等に参加します。これもこれからの課題ですが、日本人高校生が、例えば、英語圏に留学する場合には英語能力試験がありますが、Inboundプログラムにおいては制度として日本語能力試験が課されてはいません。

以上、このInboundプログラムもどんどん進めるべきなのですが、民間交流団体には経費的にも厳しく、従って営利団体では実施されていません。また、海外留学生の資質にも左右される傾向があるため、この「受入れプログラム」も「トビタテ」のような国からの支援、サポートシステムが待たれるところではあります。そもそも、「高校生交換留学制度」が国務省管轄で管理されている例えば米国の場合と異なり、文科省により認められてはいるものの、制度化はされていない日本においては、これからの課題は大きいと思います。

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林 隆樹(はやし りゅうき)

(一社)日本青少年育成協会 理事・国際交流委員会委員長

1956年東京都生まれ。早稲田大学大学院在学中にフランスに1年間留学、帰国後翻訳会社に勤務。

1992年、サンフランシスコに本社を持ち、世界各国に展開する英語学校の日本支社長に就任。

以降、留学業界で活躍。2001年社団法人日本青少年育成協会国際交流委員会、2004年より同協会理事に就任、現在にいたる。

2000年より一般社団法人JAOS海外留学協議会事務局長、2013年より専務理事。

2011年、一般社団法人J-CROSS留学サービス審査機構の立ち上げにかかわり同機構理事。

2014年より、特定非営利活動法人文際交流協会理事。2017年より学校法人イーストウェスト日本語学校理事。著書に「成功する留学、交換留学編」(共著)などがある。

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