【トンクス・バジル】一生涯学び続ける時代に向けた「シリアスゲーム」の提案

― シリアスゲームで英語学習がもっと楽しく、もっと効果的に! ―

我々は本当に恐ろしい変化の時代に生きています。2017年の夏に発表されたDell Technologies社とInstitute for the Futureの研究によると2030年頃の職業の85%は我々の知らない、まだ存在していない仕事になります。このような未来予測において「学生の時代に学ぶ」そして「大人になったら働く」という学習の終わりがある時代が終焉を迎えます。今後は、今まで以上に、一生学び続けるという時代が到来します。このような終わりのない生涯学習は苦痛に思われる方々が多いと思います。しかし、心配はいりません。例えば「シリアスゲーム」を通して勉強をすれば効果的かつ楽しい学習ができるでしょう。

シリアスゲームの可能性

シリアスゲーム(Serious game)とは、エンターテインメント性が常に存在し、学ぶことを主な目的としている教育の手段として開発されたコンピュータゲームです。普通のゲームと違って、ゲーム内でのゴール(クリア)よりも、ゲーム外でのゴール(能力の習得など)が最終目的になっています。シリアスゲームを積極的に使っている国々において、シリアスゲームは、教育機関、一般企業、医療機関、政府関係機関でよく使われています。例えば、シンガポールではシンガポール軍のトレーニングや空港で働く入国管理局員の「入国インタビュー」のトレーニングなどでシリアスゲームが利用されています。日本は海外ほどシリアスゲームが採用されていないようですが、日本でもシリアスゲームを使うべき学習場面がたくさんあると思います。特に英語学習では大変役に立つことがあると確信しています。

事例を一つ紹介したいと思います。昨年末から年始にかけて私の経営している会社がシリアスゲームという形で英語のスピーキングコンテストを開催しました。このコンテストはMyETという学習アプリを使用した、場所、時(開催期間内であれば24時間参加可能)を選ばないオンラインのみのコンテストでした。参加者は10文から15文の英語表現を発音し、その発音をMyETのシステムが得点化、その総合得点を競い合う極めてシンプルなルールでした。学習者の参加を簡便化するため、開催期間内ならいつでも、何回でも挑戦可能にし、また参加者のモチベーションを上げるために入賞者には、表彰と粗品をプレゼントすることにしました。

約15,000人が参加したシリアスゲーム

結果的に参加者は約15,000名になりました。参加者は北海道から九州まで国内の小学生と中学生が一番多かったのですが、中国、台湾や他の国からの参加者も社会人も少なくなかったです。1名の参加者につき平均約10回コンテストにチャレンジ(参加)したので、総計約150,000回のチャレンジ(参加)がありました。これを時間に換算すると参加者全員で5,000時間(約200日)の英語のスピーキング練習を行いました。一番チャレンジ(参加)回数が多かった学習者は中学1年生で、そのチャレンジ回数はなんと312回にも上りました。

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トンクス・バジル

1966年カリブ海の島国トリニダード・トバゴで生まれ、1969年にカナダへ移住。トロント大学を卒業後、ブリティッシュコロンビア大学院でアジア学を専攻。

1992年に来日以降、英語学校の統括責任者、教材開発者、教師養成トレーナーなど幅広く教育に携わってきた。

現在は教育出版会社である株式会社エドベックの社長。

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