【山口 時雄】第19回 高校「新学習指導要領」で絶対必要になるICT環境+何?

小中高の「学習指導要領」を貫くもの

「高等学校学習指導要領」改訂において、「社会に開かれた教育課程」、「知識及び技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランス」、「高大接続改革」という基本的な考え方は昨年告示された小中学校版と変わりません。

また、知識の理解の質を高め資質・能力を育む「主体的・対話的で深い学び」、いわゆるアクティブラーニングの活用という考え方や、カリキュラムマネージメントとして学習の基盤となる資質・能力(言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等)や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成のためには、教科等横断的な学習を充実する必要があるという点でも変わりません。

そして重要なのは、総則において「言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等」育成を図るために、「各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」と明記されたこと。小中高一貫した、ICT活用教育です。

例えば国語では、「生徒がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること」。地理歴史や公民では「情報の収集、処理や発表などに当たっては、学校図書館や地域の公共施設などを活用するとともに、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用し、指導に生かすことで、生徒が主体的に学習に取り組めるようにすること。その際,課題の追究や解決の見通しをもって生徒が主体的に情報手段を活用できるようにするとともに、情報モラルの指導にも配慮すること」。その他、数学や理数、情報はもちろん、外国語、理科、保健体育、芸術、家庭などのほか、専門学科において開設される各教科も含め、今回の「学習指導要領」(647ページ)の約50カ所に「コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用し」という文言が登場します。

こうしたあらゆる教科におけるコンピュータやICTの活用が求められると、相応のICT環境が必要になります。1人1台PC、普通教室のWi-Fi設置、大型提示装置や授業支援アプリなど現状では対応できていない学校が多いことでしょう。

教科「情報」の再編で求められること

ほぼすべての教科でICTの活用が求められる上に、教科「情報」の再編では教師に求められるスキルも格段に高度になりそうです。情報科の科目を再編し、すべての生徒が履修する「情報Ⅰ」を新設することにより、プログラミング、ネットワーク(情報セキュリティを含む)やデータベース(データ活用)の基礎等の内容を必修化しました。プログラミングに触れる生徒が2割しかいなかったこれまでと状況は大きく異なります。

「情報Ⅰ」の目標は、「情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ、情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通して、問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し、情報社会に主体的に参画するための資質・能力を育成すること」です。

そのために、「コンピュータや外部装置の仕組みや特徴、コンピュータでの情報の内部表現と計算に関する限界について理解」や「アルゴリズムを表現する手段、プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技能を身に付ける」といったことが掲げられています。あなたの学校に教えられる教員はいるのでしょうか。


山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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