続々と出る中高一貫校実績

【森上 展安】入りやすくて 真にお得な学校

宝仙理数インターが快挙

 宝仙理数インターは広尾学園と同じ時期に発足した女子校リニューアルの共学校だが、広尾学園がやはり「インターナショナル」コースを切り口にして人気を集め、出口実績が上昇し、同時に入口も難関化した、いわゆる「進学校なり」が見事に奏功した学校であるのに対し、こちらは校名の「インター」とは裏腹に、発足後2回目の卒業生が東大合格者を輩出、また、コンスタントに国立大実績が中堅校並みに出るなど極めて堅実な反面、入口の偏差値は中位にはりついて変化せず、典型的な「入りやすくてお得な学校」と目されてきたが、今年はさらにその出口に磨きがかかり、東大こそ出さなかったものの、国公立大合格者は42名(23%)、医学部医科に6名、海外大学に2名、早慶上理ICUに88名(49%)、GMARCHに107名(59%)を出している。

 とりわけ国公立大の中には東工大1名、一橋大2名、東北大2名という難関国立大が入っており、また、早稲田は14名(昨年)から28名(今年)へ、慶應は7名(昨年)から16名(今年)へと、定員減厳格化の中とりわけ早慶実績を落とす高校が多い中で、逆に大きく伸ばしており、瞠目すべき実績を出した。しかも、同校の主力の募集はその名も公立一貫校対策入試であって、その受験者数は同じような適性検査型入試を行う私立の中で、数の上で最も多いのに加え、実際にその中から宝仙に入学する生徒が多いのも同校の大きな強みだ。つまり入り口偏差値がつかない(適性検査型の選抜は相対評価ではないため、偏差値判定になじまない)状況の中で、出口実績が中堅上位校に迫るものになっているのだ。同校の入試は、適性検査以外にもあるがどれもユニークなもので(特にリベラルアーツ入試はその最たるものだろう)、そのために一般的な入試の偏差値は広尾学園と対照的に開校当時の偏差値(四谷大塚で50前後)からほぼ動いていないものの、こうした偏差値では測れない資質能力の選抜で、また決して倍率も高くなく(1倍台)、その中でのこの出口実績であるところが素晴らしい。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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