【堀切 一徳】効果的な英語指導法とは

― その前に英語能力測定試験について ―

英語能力測定試験

 大学入試の英語の問題、特に日本語和訳問題などが4技能をまんべんなく伸ばす英語教育の障害になっているという指摘を受けて、文科省は英語教育改革だけでなく、2020年に向けての大学入試改革にも取り組んでいます。その中で、3月下旬に、各英語能力測定試験が「大学入試英語成績提供システム」に参加可能なのかどうかを大学入試センターと文科省が判断し、ウェブ上で参加可能な試験を発表しました。新共通テストに代えてその得点を大学入試に用いることができるため、ここで発表された資格・検定試験は非常に大きな意味を持つことになります。たいていの英語能力測定試験は年間数回受験が可能ですので、自分が望むスコアを獲得できる可能性が高くなります。しかも試験は4技能対応ですから、まんべんなく英語力を測定できます。次のURLから参加要件を満たした資格・検定試験が確認できます。

http://www.dnc.ac.jp/news/20180326-02.html

 上のURLの中には認定されなかった試験についても掲載されており、その一つが英検(実用英語技能検定)でした。英検と言えば、長い間、日本で実施されている英語能力測定試験の一つです。我々も子どもたちもよく知っている筆記が1次試験、面接が2次試験という形式が認められなかったのです。理由は「大学入試英語成績提供システム参加要件」に合致しなかったからです。どの部分に合致しなかったかというと「1回の試験で英語4技能のすべてを極端な偏りなく評価するものであること。」の部分だそうです。確かに英検では1次試験の不合格者は2次試験のスピーキングテストを受験できません。1次試験と2次試験が別のテストで、1回の試験にあたらないとされればその通りです。英検協会側が同時に認定要請をした、1)1回の試験で2次試験の内容も実施する新形式の試験、2)CBT試験(PCを用いる試験)は参加要件に合致しました。大学入試の新共通テストに代えて用いられないからという理由で従来の英検が衰退していくのはまさに大学入試に縛られているようでどうなのだろうと思ってしまいます。英語教育関係者がショックを受ける中、英検協会は声明を出しました。

http://www.eiken.or.jp/association/info/2018/0330_01.html

 センター試験の英語と英検の筆記の出題形式はよく似ています。語彙の問題、並べ換えの問題、図やグラフを読み取る問題など、一定の意図を持って英語力を測定する試験であることは間違いありません。スピーキング(面接試験)も他のテストよりはるかに歴史が長いです。自然なコミュケーションの場を設定して、地道に続けてきました。また受験料も無理のない設定でした。それが日程の問題だけで採用されないことに、私は納得できません。その他の新しい英検については英検のHP(http://www.eiken.or.jp/)をご覧ください。英検を含めたその他の英語能力測定試験について詳しくお知りになりたい方はこのウェブサイトをご参照ください。

http://4skills.jp/

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堀切 一徳(ほりきり かずのり)

郁文館夢学園英語科教諭

1983(昭和58)年3月、東京学芸大教育学部中等教員養成課程英語科卒業、1985(昭和60)年3月同大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育専攻)修了、1986(昭和61)年4月郁文館学園英語科専任教員奉職。以降、33年間郁文館で英語教育に携わる。現在、郁文館独自の教育=夢教育(学力・人間力・グローバル力)を推進する夢教育推進部部長。

おもな著作に、『TOEFLテスト公式問題で学ぶ英文法』(2000[平成12]年、大津由紀雄氏・直井一博氏との共著)。 

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【2018/4月】英語教育改革最前線

 

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