【山口 時雄】第20回 中高へと続く「プログラミング教育」が いよいよ小学校から始動

プログラミング教育6つの分類

 文部科学省は今年3月、2020年から始まる小学校のプログラミング教育がすべての学校で実施されることを目指し、次々と施策を実施した。「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」の発表、「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」の公表、そしてWebサイト「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル Powered by未来の学びコンソーシアム」のオープン。

 こうした施策実施の準備として昨年末、文科・総務・経産3省が連携して立ち上げ、民間に委託していた「未来の学びコンソーシアム」の運営を文部科学省主体に移行。さらにプログラミング教育戦略マネージャーを設置して体制を強化した。

 新体制で最初に発表したのが「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」、いわゆる「プログラミング教育6つの分類」である。

 小学校におけるプログラミング教育は、昨年3月に告示された新学習指導要領で必修化が明記された。しかし、それ以前からプログラミングを活用した教育に取り組んできた教員は沢山いる。そういう先進組にしてみれば、新学習指導要領に示された内容は「その程度か」と思いながらも、自らの取り組みが指導要領に沿っているのか自信が持てないという状況でもあった。

 一方、これまでプログラミングなど聞いたこともやったことも無い教育現場の人たちにしてみたら、まさに「青天の霹靂」。いや、むしろ「青天の霹靂」ですら無いかもしれない。というのも、新学習指導要領では、英語の必修化、道徳の教科化という分かりやすく大きな課題があるからだ。「プログラミングって何?」というのが現状組の現実である。

 そこで文部科学省の「未来の学びコンソーシアム」プロジェクトチームは、新学習指導要領の内容をその程度かと感じる先進組と、何をやったら良いのか分からない現状組の溝を埋めて、小学校段階におけるプログラミング教育を分かりやすくするため6つに分類整理して、取り組み方の目安を発表した。

小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類

<教育課程内のプログラミング教育>
A:学習指導要領で例示されている単元等で実施するもの。
(算数5年・正多角形、理科6年・電気の利用、総合的な学習の時間・情報に関する探求的な学習)
B:学習指導要領に例示はされていないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの。
C:各学校の裁量により実施するもの。
(A、B、D以外で、教育課程内で実施するもの)
D:クラブ活動など、特定の児童を対象として実施するもの。

<教育課程外のプログラミング教育>
E:学校を会場として実施するもの。
F:学校以外を会場として実施するもの。

 この分類は、A・B・C・D・E・Fと階段状に登っていく6段階ではない。あくまで6つの分類である。先進組の人たちには自分がやっているプログラミング学習がどこに分類されるのかが把握でき、現状組は何から取り組まなくてはならないかが明確になる。

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山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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