編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:岩井 俊夫社長 (株式会社ドリーム・チーム)(大阪府)

【株式会社ドリーム・チーム】学校に密着した指導で 生徒を笑顔に!

激戦区・大阪北摂を中心に、「1中学1校舎」のコンセプトで地域密着塾を展開、勢力を拡大し続けている学習塾「ドリーム・チーム」。創業者である岩井俊夫社長に取材した。

社名『ドリーム・チーム』に込めた意味


 20世紀においては、塾に限らずビジネスにおいて求められたものは一点集中による効率化でした。しかしまさに日進月歩である21世紀の現代においては、1つの強い商品や拠点があっても、すぐに技術革新による陳腐化、あるいは競合参入による相対的弱体化の危機にさらされることになります。そこで我々は、「1中学1校舎」というランチェスターに則った1点集中戦略とともに、校舎や人材においては分散させながらネットワークを構築し、その総合力で勝つビジョンを掲げています。このように、一つひとつの校舎、一人ひとりの社員が力を持ちながら、それらがチーム一丸となって広く地域に根付いていくイメージが、「ドリーム・チーム」の由来です。また、我々はこの戦略を「スイミー戦略」と呼んでいます。「スイミー」とは、小さな魚たちが集まって大きな魚の形をつくり、敵に対抗するストーリーです。1中学校に特化するデメリット、すなわちブランディングの困難さを補完するために、そしてスケールメリットを得て会社を成長させるために、多店舗展開および組織展開を実践しています。

元気な社員が接することで、生徒が元気になる

 ドリーム・チームの理念、「生徒を元気な笑顔にする」ために必要なことは、「まず大人が果敢にチャレンジし、自らの夢を実現し、人生の楽しさを子どもたちに示すこと」です。そして、それがドリーム・チームの考える最高の教育です。そのための福利厚生や社内イベント、現場の負担を軽減するシステムはもちろん、「果敢なチャレンジ」と「夢の実現」をサポートする会社風土を用意しています。社員の共通点は、「積極的」「型にはまらないこと」であり、「塾の固定観念を壊す」ことを目指し、現場からのアイデアは非常に大切にしています。例えば新規校舎立ち上げにおいても、担当者は立候補制で、校舎の壁の色から始まりまさしくゼロベースで考えてもらいます。そうして生徒を喜ばせるための工夫を社員に本気で考えさせることで校舎に愛着が生まれ、地域に愛される塾が実現しています。その他にも、様々な工夫・企画は、私へプレゼンしてもらい面白いと思えばGOサインを出します。そして権威移譲し、もしそれが失敗しても個人の責任を問うようなことはありません。一人の責任にならないために、社員は幹部会で企画をプレゼンし、参加者の承認を得るので、いわば「みんなの責任」です。要は、失敗した原因さえわかれば良いと考えています。チャレンジし、失敗し、その要因を考え、次は成功する。その繰り返しこそが、成長への唯一の道であることは、言うまでもありません。チャレンジを奨励する風土こそが、ドリーム・チームの強みの一つと考えています。

指導スタイル

 企業理念である「生徒を元気な笑顔にする!」と並んで掲げる、ドリーム・チームの指導理念は、「学校に密着して指導する!」です。昨今では私立に限らず、公立の小中学校においても、それぞれにおいて特色のある指導が実施されています。本部主導の画一的な教育では、そういった公教育の多様性にもはや対応できないと考えています。よって、学校を限定し、学校の指導方針や学校生活を熟知した上でこそ、生徒のことをより理解し、深い指導ができるのです。そうした密な指導を通して、成績が上がったときの喜びや計画を成し遂げたときの達成感を共有することを大切にしています。ターゲットを1中学校に絞ることで、テスト対策の期間が分散せず教室全体のイベントとして実施できるので、時系列に沿って効果的なテスト対策が可能になります。具体的には、まずテストの約三週間前に、オリエンテーションを実施しモチベーションアップ。勉強方法の確認や目標設定を通し、テストへの意識づけを行います。そして、理科・社会の暗記マラソン、学校のノートやプリントを隅々までチェックし出題傾向や重要ポイントを把握した上でのテスト対策授業を行います。最後に、テスト当日は朝七時に教室を開放し、モーニングスクールを実施しています。提出物の確認や暗記事項の最終確認をし、すっきりと目覚めた状態でテストに臨むことができます。こうして、点数アップに向けて校舎一丸で取り組んでいます。また、1中学1校舎のメリットは定期テスト対策で最大限に生きますが、定期テストでしっかりと得点することで、内申点の向上、成功体験・自信の蓄積、仲間との連帯感など、受験に向けても必要なことを育んでいきます。

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