【堀切 一徳】英語の文法にこだわる

英語の文法にこだわる

 4技能を伸ばす英語教育では、英文法は軽視されている傾向にあります。単語を並べればなんとなく話せた気になり、英単語を聞き取れば大体の意味が分かるからです。英語のネイティブスピーカーに囲まれて生活し、無意識に英語を使いこなしている人は別として、英語を外国語として学ぶ私たちは、英文を正しく理解するには英文法が必要です。実際、TOEICなどの英語能力測定試験でも英文法に関する問題が出題されていますし、TOEFLでも以前は英文法の知識を使う問題は出題されていました。またリーディングでも英文法の知識は必要となります。言葉の学習では、言葉の仕組みを理解することが基本です。

≪復習≫

 では英語の文はどのような要素から成り立っているでしょうか。最も基本的な事柄を確認しておきましょう。文は、一般に、「~が…する」(~の動作を表している)とか「~が…である」(~の状態を表している)という意味をします。そして、~の部分にあたる主語(主部)と…の部分にあたる述語(述部)が必要となります。述語の中心になるのは、動詞です。主語と動詞は、普通、「主語+動詞」という順に並べます。

(1) John left.
  主語 述部
  ジョンが去った。
動詞によっては目的語や補語を必要としますが、それらは動詞のあとに置かれます。

(2) Mary read the newspaper.
  主語 動詞 目的語
  メアリーは新聞を読んだ。

(3) Sue is tall.
  主語 動詞 補語
  スーは背が高い。

動詞によっては、目的語を二つとったり、目的語と補語をとったりするものもあります。

(4) Ned gave her a book.
  主語 動詞 (間接)目的語 (直接)目的語
  ネッドが彼女に本をあげた。

(5) Everybody calls her Liz.
  主語 動詞 目的語 補語
  みんな彼女をリズと呼んでいる。

これはいわゆる英語の5文型ですが、どの文にも必ず、主語と動詞が必要であり、動詞によっては目的語や補語を動詞のあとに置かなくてはならないということになります。
文の基本構造: 主語 + 動詞 (+目的語、補語)

 上にあげた「文の基本構造」から、つぎの点が確認できるでしょう。
A.文には必ず主語が必要である。
B.文には必ず動詞が必要である。

 Aのほぼ唯一の例外は命令文(たとえば、Go!)です。「ほぼ唯一」と言ったのは、そのほかにも少数の口語表現(たとえば、Tastes good!, Sounds interesting!)があるからです。しかし、それ以外では英語は常に主語にこだわります。ここは日本語にはない特徴です。だから、意味がない語を起用しても、主語を立てます。

(6) It’s five.
  いま、5時だ。

(7) It’s getting warm.
  暑くなってきたね。

(8) It’s fun to read this book.
  この本は読んでおもしろい。

時間や天候などを表すitや形式主語(仮主語)のitはあくまで主語を要求する英文法の性質を反映したものです。

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堀切 一徳(ほりきり かずのり)

郁文館夢学園英語科教諭

1983(昭和58)年3月、東京学芸大教育学部中等教員養成課程英語科卒業、1985(昭和60)年3月同大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育専攻)修了、1986(昭和61)年4月郁文館学園英語科専任教員奉職。以降、33年間郁文館で英語教育に携わる。現在、郁文館独自の教育=夢教育(学力・人間力・グローバル力)を推進する夢教育推進部部長。

おもな著作に、『TOEFLテスト公式問題で学ぶ英文法』(2000[平成12]年、大津由紀雄氏・直井一博氏との共著)。 

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