【大村伸介】ブタもおだてりゃ…

承認の悪用

 長男が寝た後、家族で話し合いをしました。結果として出てきたのは、

・初めは感謝の気持ちしかなかったけど…褒めたら褒めるだけ色々なことをやってくれる

・ありがとうとは思っているけど、それは色々なことをやってもらうために言っていたかも、つまりは承認を「やらせる」ために使っていた、ということですね。

 それを長男はしっかりと感じ取っていた

 承認はされたいから黙っていた
 我慢ができなくなってきた
 まずはパパに打ち明けてみた

 ということになります。

 ブタもおだてりゃ…と昔からいいますが、これは我が家だけではなく、学校、家庭、会社…様々なコミュニティで起こりがちなことでもあるのです。先月号で、人は扱った通りの存在として現れてくる、と書きました。ブタもおだてりゃ木に登り、やがては扱った通りの存在として現れてくるのです。

本当の承認

皆さんは、どんな場面で生徒を承認しますか?

「何かができたら認めてあげる」…こうお答えになる方がほとんどです。これを「条件付き承認」と言います。この「条件付き承認」ですが
「何かをさせてやろう」
「承認の裏でコントロールしてやろう」

 というための道具に使われることも実に多いのです。

 持っていただきたいスタンスは「無条件承認」=「存在承認」です。

「結果に関わらず認める」
「ありのままを認める」

という承認です。子どもにとって周囲からの「承認」は「愛」です。

「何かができたら認めてもらえる」

という感覚は

「何かができる自分は愛され、できない自分は愛されない」

に等しいのです。

「どんな自分であっても愛される」
「世界中の人が自分を否定しても、先生だけは、親だけは、家族だけは、自分を愛し、自分の存在を認めてくれる」

という無意識の実感が子どもには必要なのです。この実感が「自己有用感」「自己肯定感」を高めます。

 翌朝、長男はいつもと変わらないですが、妻やお姉ちゃんたちの接し方が変わりました。承認の悪用を手放し、お互いに無条件に承認し合う、こうなればおだてなくても自分の意志で勝手に木に登ります。

 末筆となりましたが、私も関西に居を構えております。多くの先生方からご心配をいただきました。紙面を借りまして、お心遣いに重ねて感謝致します。

1 2

大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長

集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員

ohmura
▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2018/7月】人は宇宙である

【2018/6月】教育の原点回帰

 

   ≫さらに読む