編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:湯浅 浩章 代表、天野 玄樹 代表代行、田中 建太郎 ユニバーハイスクール 責任者(神奈川県)

【学習塾ユニバースクール・ 『大学受験を目指す』 ユニバーハイスクール】『頑張る生徒を全力で応援したい』

「マイナスプロモーション」はダメ

千葉 周囲には大手の予備校・学習塾も多い環境ですが、その中で独自性を発揮し、生徒・保護者の支持を集めている秘訣は何だとお考えですか。また、競合する予備校・学習塾と比較されることも多々、あるかと思いますが、その中で発揮される強みはどういったところだとお考えですか。

湯浅 東急田園都市線の各駅は数の違いはあれ同じような状況です。その中で、私たちが塾としてやらなければならないことは、既存の塾に不足している、面倒見とコミュニケーションだと思います。大手塾は成績向上と合格実績を優先していますが、それに対抗するのではなく、生徒一人ひとりをちゃんと扱ってしっかり面倒を見てあげることが私たちの大事な役割だと思うのです。

 大手塾はたしかにブランド力があり、その看板に惹かれて入塾するケースは多いのでしょうが、最近の母親はネットで調べたりSNSで知り合いとリアルタイムで情報交換したりしているので、情報量も多いし勘も鋭いようです。隠し事や嘘はすぐにバレます(笑)。ですから正直に私たちの取り組みや塾の実態を伝えます。また、ポジティブな話ばかりでなく、こういった子がこんな感じでこうなりましたというような改善されたケースをそのまま話したりします。コレじゃダメ、アレじゃダメというマイナスのプロモーションではいけませんよね。

 集団個別ということで、個別もいいと思うのですが、欠点もあります。月謝が高い、講師は学生に頼っている、生徒一人あたりの指導時間がどうしても不足気味になる…私たちは生徒が沢山の問題を解く、演習の時間を確保することが大事だと考えています。現在、ピーク時で生徒25名に4人のスタッフ指導員が動きますが、それを教材やツールなどを活用して、先生1人で20人の生徒が見られるようにしたいと考えています。
 

「塾っぽさ」を出さない理由とは?

千葉 生徒の指導について、生徒のやる気を引き出し、自主的・自立的な学習姿勢を育成しようとされているように見受けられますが、そのように考えるようになったきっかけは何ですか。

湯浅 生徒が勉強をしたくなるきっかけを与えやすい場を提供したいと私たちは考えています。いわゆる勉強ばかりの「塾っぽさ」は出さないで、むしろ勉強だけじゃダメだよという違う視点、勉強がダメでも何かやれるよという自信を生徒に持ってもらうきっかけを与えたい。学校は勉強だけではなく、部活や友達との交流、修学旅行や体育祭などのイベントがあるからみんな通学していますが、塾も勉強だけでなく何か別の楽しさがあっていいと思います。

 私たちはテストが終わると食事会をしたり、高等部は山登りをしたりします。これも生徒のモチベーションアップになっているようです。生徒が主役なので、自分で何かしようとか仲間のため家族のため社会のために何かできないかと考えるようになることが大事です。そのためにこれを勉強しなくてはいけないとか…勉強だけ主体で考えるのではなく、何のために勉強するのかを自分を主体に考えられる人間になってほしいのです。
 
 
 

面白い塾作りのきっかけになってほしい

千葉 今後の塾としての目標や夢、個人としての目標や夢があれば教えてください。

湯浅 個人的な夢は特にありませんが、塾としては、現在の学習塾という概念そのものを超えたいと思っています。勉強だけの塾ではなく、勉強+αといいますか、生徒一人ひとりの将来に向けて楽しく打ち込める何かを現実化していける場所を提供したいのです。極論を言えば、勉強がそれほどできなくても起業したい人をサポートするとか、勉強以外の何か特技があればそれを伸ばしてあげたり、何か作品を仕上げるまで支援してあげたりできる塾でありたいと思っています。たくさんの教材やツールを導入して取り組んでいますが、それが、これから塾をやりたいという人たちにとって、面白い塾作りのきっかけになればいいなと思っているところです。

(2018年6月27日、神奈川県川崎市宮前区の学習塾ユニバースクールで取材)

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