【横手 尚子】“世界に通じるマナーとコミュニケーション” ― 教育編(2) ―

 具体的に行きましょう。「聴き取り」の力を付けるには、次の3点が必要だと考えられます。

①リンキング(連結音)やリダクション(消滅する音)、音節とアクセントなど「発音の基本ルール」を理解すること。そこでは「カタカナを上手に使う」ことで習得の初期段階が飛躍的に加速します。

(例) Check it out. チェケラウッ → kとi、tとoの音が連結し、tのタの音がラの音に変化する。outのt音が消滅する(語末の~t, ~dは「~ッ」のように言う寸前で止めるようにする。これだけで聞き取りが大幅に伸び、また音読がりきみなく驚くほど楽にできるようになります。

  Up and down アッペンダウン
  → pとaの音が連結し、andのd音が消滅する。
  in-for-ma-tion
  → 第一アクセント(第3音節)のmaをはっきりと長めに発音(日本語風の“メイ”ではなく「メーィ」のように二重母音は最初の母音が強く長くなる)。また、それ以外の音節の母音は弱く曖昧に発音する(第一アクセントを強く言えば自然にそうなるともいえる)

② 練習をした上で、“音をきちんと聴く”というトレーニングを積むこと。これによってリスニング能力はさらに加速していきます。そして何より聴き取れるという“自信”を得ることができます。このようないつ忘れるかわからない「知識」の量に依拠した自信ではなく、一生忘れようのない「能力(スキル)」に支えられた強固な自信であり、英語のほかのスキルや知識全般の吸収への意欲の向上にも大いに寄与します。聞き取りが強いと、知らない表現に出会ってもその場でどんどん吸収できるという強みも重要です。

③ 聴いた音を自分でも発音できるように訓練すること
英語は母音だけでも日本語の2倍以上あります。

(例) 日本語のa(ア)— 英語のa…cat able tall など
   日本語のo(オ)— 英語のo…top open など

英語は日本語と比べて音の種類が多いため、私たち日本人は日本語にはない音を聴きとることが非常に困難に感じてしまいます。そして、これらを克服するためには、「自分で発音できるようになること」、これが最短の近道になると言えるでしょう。

【発音の鉄則】
自分で発音できるものは必ず聴き取れる

【発音は最初に学ぶべき】
発音は若ければ若いほど習得しやすいので、英語に初めて触れる時期に教わるべき。(しかしながら、適切な練習でこれを克服することもまた可能ではある)

 次回はクラスで毎回実践している「音読・暗唱」の効果と重要性についてお伝えしたいと思います。

1 2

横手 尚子(よこて しょうこ)

接客英会話・接遇マナー講師

学習院大学卒業、元日本航空国際線CA、武蔵野学院大学客員准教授、駿台トラベル&ホテル専門学校、駿台外語&ビジネス専門学校、敬愛大学社会人コース、学びエイド英語科認定鉄人講師、英語発音検定(EPT®)1級、英語発音指導士®。

独自の接遇哲学と明るい授業スタイルにより国内外の多数の生徒からの熱烈な支持を獲得する。著書『世界に通じるマナーとコミュニケーションーつながる心,英語は翼(岩波ジュニア新書)』、『ネイリストのためのマナーと接客英会話(IBCパブリッシング)』、『(外国人送迎ドライバー向け)おもてなし接客英会話テキストブック(Amazon Kindle総合1位、EnglishCentralのテキストとして正式採用)』。

yokote
▼『横手 尚子』の過去記事を読む

【2018/9月】“世界に通じるマナーとコミュニケーション” ― 教育編 ―

   ≫さらに読む