【山口 時雄】第25回 脱“ブラック職員室” 文科省が示す 「統合型校務支援システム導入の手引き」

教師が「ブラック職業」と言われて久しい。何がブラックなのかというと、第1の理由は「長時間労働」です。文部科学省では、教師の長時間労働を解消するための対策手段として「統合型校務支援システムの導入のための手引き」を公表しました。あなたの学校に「ブラック」のレッテルが貼られないように、統合型校務支援システム導入の意味合いについて考えてみましょう。

「統合型校務支援システムの導入のための手引き」の表紙

 2018年8月30日に文部科学省が公開した「統合型校務支援システムの導入のための手引き」の「はじめに」では、2016年度の教員勤務実態調査で教員の1週間当たりの学内総勤務時間(持ち帰りは含まない)は、小学校で57時間25分(2006年度調査比で4時間9分増)、中学校で63 時間18分(2006年度比で5時間12分増)となっており、教員の業務負担の軽減は喫緊の課題だとしています。

 手引きでは、学校における働き方改革のためには、統合型校務支援システムの導入が必要だとしています。統合型校務支援システムとは、「教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系など統合した機能を有しているシステム」で、成績処理等だけなく、グループウェアの活用による情報共有も含め、広く「校務」と呼ばれる業務全般を実施するために必要となる機能を実装したシステムです。

 文部科学省の調査によると、統合型校務支援システムの整備率は、2017年3月1日時点で学校全体の48.7% に留まっており、依然として半数以上の学校で、統合型校務支援システムの導入が進んでいない現状があります。統合型校務支援システムを導入していない理由として「導入したいが 予算を確保できない」が46.2%を占めています。また、市区町村では、「導入の必要性を感じない」が16.6%、「導入したいが調達できるだけの事務体制がない」が15.3%を占めており、統合型校務支援システムに対する理解の不足や統合型校務支援システムの導入を推進する体制(=人材)の不足が課題だとしています。

 手引きでは、こうした課題を解決する方法として、「予算(導入費用)の確保」、「統合型校務支援システムの必要性の理解」、「事務体制の整備」と題して解決策を提示しています。

 統合型校務支援システムの導入効果には、定量的効果(業務時間の削減等、数値化できる効果)と定性的効果(教育の質の向上等、数値化できない効果)があるとしています。

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山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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