【森上 展安】来年入試、中高で異なる動向 首都圏9月動向

 来年入試を占う大手模試の9月動向が明らかになった。きわめて大きな変化は高校受験に現れた。即ち、駿台中学生テストによると、今春の付属志向一色と異なり、付属志向より進学志向が鮮明に出ているとのことだ。

 対して中学受験は、サピックス、四谷大塚、日能研各模試を総合すると、今春に引き続き付属志向が鮮明で、特に、さらに言えば、半付属の系列大学のある、他大進学もできる学校の人気もさらに高く推移している、ということだ。高校受験の学校種別動向を駿台中学テストの集計によって示すと、以下のようになる。

 他方、中学受験の付属人気は以下のように堅調だ。

 ただし、神奈川だけ付属、半付属に陰りがみえてきており、また、進学校も全体に増加基調でありながらも東京下町では陰りがみえてきている。

 伸び率は付属の方が高い、という意味で付属人気というのが当たっていて、しかしそれが進学校不人気ということではなく、小6人口増に支えられて、全体に増勢基調だ、ということだ。しかし、その増勢というのも9月は前年対比3.5%ということで、これは小6人口の増加率を反映しているだけで、それを上回る増加率ではないことに注意を払う必要があるだろう。

なぜ中高で動向が真逆になったか

 駿台中学生テストの付属人気沈静化進学人気上昇についての見方は、主に2020年大学入試改革が小幅なものにとどまり、余り大きな改革とはならない、ということが周知され始めたからではないか、と推測している。

 一方、中学受験は2024年の本格的大学入試改革に備えた動きであり、そこでは依然として付属人気、とりわけ両にらみの半付属人気が高いのではないか、ということができるかもしれない。

 もう1つ言えば、中学受験の保護者の属性として、より富裕層が多いので比較的高額な付属校授業料に対して必ずしも敬遠要因にならない、という事情があるかもしれない。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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