【山口 時雄】第26回 教師はなくなる職業!? 学校にAIがやってくる

 2つめに紹介する「Qubena」は、最初からAIを活用することを前提に開発された、数学(算数)に特化した世界初の人工知能型タブレット教材です。「Qubena」を開発したCOMPASSの神野_元基CEOが留学中のシリコンバレーで「シンギュラリティ」に出会い、この時代を生きる子どもたちに「生き抜く力を身につけさせなければならない」という使命感で帰国して開発したものです。間違いの原因を人工知能が分析し、たとえ過去の単元や前の学年の分野につまずきポイントがあったとしても、原因を解決するためにその生徒が解くべき問題へと誘導するのはもちろん、生徒が「解いている問題、解答時間、正答率など」の学習データを専用の管理システムによってリアルタイムに収集・分析したり、ヒントや解説アニメーションを活用して、上級学年の単元へ進むことも、難易度の高い問題へ挑戦することもできます。COMPASSが実施した導入実験では、通常14週間かけて行う1学期の授業が2週間で終わり、受講者全員が学校平均点を上回る結果となったといいます。実に7倍の速さということです。

 さて、AIの進化によって社会のあり方が変わり、「何年後には何パーセントの職業がなくなる」といった記事を見かけます。なくなる職業としては「電車やバスの運転手」「工場の組立工や梱包担当」「銀行の窓口」「スーパーのレジ担当」などがあげられます。一方、なくならない職業には、「小学校の教員」「中学校の教員」が必ず入っています。しかし、安心してはいけません。教壇に立って、一方的に知識を伝授するだけの20世紀型教育を続けていたら、すぐにAIに取って代わられるでしょう。

 「教師」がなくならない理由は明らかにされていませんが、おそらく「観察」「触れあい」「見守り」「気配り」といった、人間的で曖昧な要素が重要な職業だからではないでしょうか。21世紀型のICT活用教育になっても変わらず教師に求められる能力かもしれません。ちなみに、なくならない職業に「高校の教員」はありません。なぜでしょうか。

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山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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