【森上 展安】「はつとん」が 「校塾連携」を宣言

ドルトン東京学園の開設の意味

河合塾が中高一貫校「ドルトン東京学園」を開校し募集を開始した。河合塾は長らくドルトンメソッドに基づく幼児教育機関を運営してきたが、いよいよ本格的な「学校」の運営に乗り出したことになる。

ドルトンメソッドで想起するのは、澤柳政太郎による成城学園の設立だ。大正の新教育運動として教育史に残る、寄しくもその成城学園と同じ最寄駅にドルトン東京学園が出来た。教育的には競合する学校だ。

筆者はニューヨークのドルトンスクールを見学させてもらったことがあるが、1クラス5~6人というグループ指導のようなクラスサイズに驚き、また、カリキュラムマネージャーや教材準備スタッフなど教師の背後に数人が常に関わっているという信じられないような授業づくりに驚かされもした。

日本の学校のスタイルではこのようにはいかないし、これを実現しようとすれば、インターナショナルスクール以上の学費がかかり、当然それでは一条校認可にならない。

そういう意味では、成城学園もドルトン東京学園も日本の標準的な学校だから、いわばニューヨークのドルトンとはその意味では別物だ。

しかし、ドルトンメソッドが個性の徹底重視であることは根幹部分なので、その点においてはそれこそ共通の建学の精神というべきだろう。

個性の伸長は確かにニューヨークのドルトンのようなクラスサイズならかなり保証できるだろうが、今日の日本の標準サイズではこれをどのように実現していくのかが、いわばあえて2019年に開校するドルトン東京学園にも課せられた使命ともいえるものだと思う。

従って、今これを多様な探究活動を保証することで実現しようというのがドルトン東京学園の最大の特色となるのではないかと推測する。

その意味で、古くからの命題である多様な個性の伸長について学校の新しい取り組みで始まることを我々は期待を込めて待ちたいと思う。

更に、その多様な個性と同じくらい重要なことは、語学の達成度の高さで、ドルトン東京学園はこれを付加価値として訴求するという。そこには今回本欄で話題にしてきた「校塾連携」による大胆なサポートも考えられているようであり、画期的な学校になるかもしれない。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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