【山口 時雄】第28回 2020年度までに私立学校で必要な “ギリギリ最低限”のICT教育環境

子どもの数がどんどん減っています。小学校も中学校も高校も、どんどん統廃合が進んでいます。世帯収入も右肩上がりより減少傾向の方が多いという実態です。2020年には、新しい学習指導要領が施行され、大学入試改革も進みます。偏差値70以上の超有名校でも、今のままのやり方でその地位を守れるかどうか分かりません。そんな時代に、公立以下のICT教育環境、公立以下のICT教育内容の私立学校が生き残れるでしょうか。

 昨年末、ウィンドウズ_ デジタルライフスタイル_コンソーシアム(WDLC)が、「MakeCode×micro:bit 200プロジェクト」に参加している小学校のプログラミング教育の実態をアンケート調査しその結果を発表しました。「MakeCode×micro:bit 200プロジェクト」というのは、プログラミング教育用のシングルボードコンピュータ「micro:bit」とプログラミングツールの「MakeCode」をセットにして200校にプレゼントするというプロジェクトで、「プログラミング教育やりま~す」と手を挙げた学校が対象です。その調査結果によると、配付が完了して2ヵ月半が経過して、半数近い学校でまだ実際の授業が行われていないという結果でした。実施できない原因は大きく2つありました。一つはプログラミング教育を実施するための環境・インフラ不足です。特に未実施校において、「学校内のパソコンはUSBを接続できない」、「アプリをダウンロードできない」、「ネット動画が視聴できない」など、取り組んでみて始めて体験する環境・インフラ面での課題。もう一つは、教員のプログラミングスキルの不足です。

 公立学校の多くはネットワークやサーバーの管理を教育委員会や自治体が行っていて、セキュリティ基準が役所や関連機関と同様になっています。そのため、USBや外部媒体が利用できなかったり、インターネットに接続できなかったり、動画の視聴ができなかったりします。もちろん、一般教室のWi-Fi環境や1人1台情報端末などは、文部科学省の定めた目標より大きく遅れているのが実情です。私学のみなさん、これはチャンスです。今なら公立以上のICT教育環境を整備するのは、それほど難しくありません。

 ではひとまず、「2020年度までに私立学校で必要な“ギリギリ最低限”のICT教育環境」を、文部科学省が「2020年度の学習指導要領実施に向けて早急に環境整備が必要」とした目標、「普通教室の環境整備のステップStage3」と定めてチェックしてみましょう。参考にしたのは「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議」の最終まとめです。

1 2

山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

yamaguchi
▼『山口時雄』の過去記事を読む

【2018/12月】第27回 校長先生、ハワイのスーパーで 「ワナバ」って訊かれたらどうしますか

【2018/11月】第26回 教師はなくなる職業!? 学校にAIがやってくる

   ≫さらに読む