【大村 伸介】人にしかできないことは何か

教育の本質

「Education」は「教育」と訳されますが、語源は「Educe=引き出す」です。福沢諭吉は次のように述べています。

学校は人に物を教うる所にあらず、ただその天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具なり。教育の文字はなはだ穏当ならず、よろしくこれを発育と称すべきなり。かくの如く学校の本旨はいわゆる教育にあらずして、能力の発育にありとのことをもってこれが標準となし、かえりみて世間に行わるる教育の有様を察するときは、よくこの標準に適して教育の本旨に違わざるもの幾何あるや。

明治時代の教育の現状を批判した文章ですが、そのまま現代の教育にも当てはまります。改革・改善を繰り返してきた日本の教育ですが、本質的には変わっておらず、いまだ「Educe」には至っていないということです。それが「未来の教室」では、まさにこの福沢諭吉が述べているとおりの教員の役割が求められるわけです。

では「Educe」実現のためにはどうすればいいのでしょう。突き詰めて出てくる指導者のあり方・考え方・やり方を体系化したものが教育コーチングです。

特に重要になってくるのが、授業者が「どうあるか」。「あり方」がティーチャーのままでは、その仕事がAIにとって代わられるであろうことは明白です。「あり方」を教育コーチにシフトすれば、傾聴・承認・質問ができます。これが生徒の意欲や能力を引き出し、未来の教室で求められている生徒主体の授業に加速度的に変容することになります。

「未来の教室」では、生徒以上に教員自身のあり方が問われることになるでしょう。本物の教育とは何か、本物の主体的・協働的な学びとは何か…。自らに問いを立て、探究し、新しい時代の教育を創り上げていくことこそが、生徒の幸福、先生方ご自身の幸福にも繋がっていきます。そして、そのような関わりこそが、AIにはできない、人にしかできない役割になります。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長

集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員

ohmura
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【2018/12月】仏つくって魂いれず

 

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