【堀切 一徳】英語コミュニケーション時代の単語と英文法学習

単語学習について

大学入試用の単語集は、名著「試験に出る英単語」が元祖ではないでしょうか。それ以降大学入試に頻出する単語を集めた単語集(単語帳)が受験生に用いられてきました。能率的に単語学習を進められるという点で、現代の代表的な単語集には「ターゲット1900」、「DUO3.0」、「システム英単語」、「速読英単語」などがあります。単語の音源も与えられていますので、ただただ単語を見て、書いて暗記をするという単語学習は不要です。音を聞いて英単語を書くあるいは実際に発音してみるという学習法もあります。もちろん各4技能試験についても単語集がありますので、大学入試の場合と同様に学習ができます。学校や塾で単語テストが行われることも多いでしょう。私も単語集を使って、受験に臨みましたが、一つアドバイスがあります。単語を覚えてからある程度の長さの長文を読むという学習の流れがあります。分からない単語があると英文の内容が分からないのですから、この流れは悪くはありません。

大学入試の最終目標は英文を読み取ることです。単語を覚えながら、あるいは英文の中で分からない単語をチェックし覚えながら、多くの英文を読むことが英文を理解する早道です。『してはいけないこと』は「単語を覚えてから」と言いながら、ある程度の長さの英文を読むことを後回しにしてしまうこと、あるいは英文を読むことを分からないからとやめてしまうことです。単語学習しかしないと単語しか身に付きません。単語は本来文の中で用いられて初めて特定の意味を表すのです。単語が用いられている英文全体の理解が不可欠です。是非、英語学習者にはこの点を強調してアドバイスするとよいと思います。

そして、もう一つ注意点があります。「単語さえ分かれば大丈夫。」というアドバイスがよく言われます。これには「文法は分かっているのだから」という言葉が隠れています。つまり、単語の意味がX(未知数)でこの意味が分かれば文が理解できるということを言っているわけです。この原稿を書いているうちに思い出したことがありますので、これで単語学習については最後にしますが、お付き合いください。

単語学習では、どの品詞が優先されるかというと、やはり名詞と動詞です。名詞は文中で主語や目的語という役割を担います。一文中に何回か名詞は登場するのですから、やはり名詞から覚えるのが自然です。また、動詞は文の中心です。以前にも書きましたが、英文には主語と動詞が欠かせません。動作や状態を表す動詞を優先して覚えるのも理にかなっています。

さて単語集一本槍だった単語学習が最近変わり始めています。皆さんはQuizlet(https://quizlet.com/)というサイトはご存じでしょうか。この学習支援サイトはアメリカの高校で開発された単語学習ツールに由来するものです。現在では単語学習だけでなく、様々な学習ができます。スマホアプリも開発されており、世界中の学習者たちが使っています。簡単に単語学習ができます。登録は無料ですので、是非登録してみてください。学習者として問題セットを検索してどんどん学習できます。例えば「ターゲット1900」で検索しますとたくさんの問題セットが出てきますので、自分のレベルに合う問題セットをどんどん解くことができます。

問題のパターンには単純な筆記問題、音声を聞いて綴りを書く問題、テスト形式の問題、ゲーム形式の問題など、細かくカスタマイズして利用できます。教室にネット回線があればLIVEモードを利用して、クラス全員で競い合うこともできます。さらにカード形式の単語学習も可能です。当然、発音も聞くことができます。問題作成者としてもこのサイトは使用可能で、さらにこのサイトにすでに登録されている問題セットを利用して新しい問題セットを作成することも可能です。生徒たちと問題セットを共有して、学習の進捗状況も把握できます。スマホ一つあればいつでも単語学習が可能な時代になりました。

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堀切 一徳(ほりきり かずのり)

郁文館夢学園英語科教諭

1983(昭和58)年3月、東京学芸大教育学部中等教員養成課程英語科卒業、1985(昭和60)年3月同大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育専攻)修了、1986(昭和61)年4月郁文館学園英語科専任教員奉職。以降、33年間郁文館で英語教育に携わる。現在、郁文館独自の教育=夢教育(学力・人間力・グローバル力)を推進する夢教育推進部部長。

おもな著作に、『TOEFLテスト公式問題で学ぶ英文法』(2000[平成12]年、大津由紀雄氏・直井一博氏との共著)。 

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【2018/8月】効果的な英語学習法について

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