【堀切 一徳】英語コミュニケーション時代の単語と英文法学習

英文法について

さて、コミュニケーション時代の文法学習ですが、この文法学習の参考としたいのがペーパー版TOEFLの文法問題です。問題形式は空所補充と文法的でない部分を指摘するというものでした。現在ではペーパー版TOEFLは日本では廃止されていますが、ネイティブスピーカーが作成した問題ですから、英語(英文法)を学ぶにあたって何からの指針となる可能性があります。私は実際にペーパー版TOEFLで出題された問題を分析したことがありますが、ある一定の傾向がありました。以下に主な文法項目を頻度順に挙げます。
1.文の基本構造(主語、動詞などの空所補充など)
2.不定詞・動名詞・受動態などの動詞形
3.主語と動詞の呼応
4.代名詞
5.比較表現
6.並列構造
7.関係詞・関係詞節
という具合になります。さらにこの後には分詞構文、接続詞などが続きます。実に真っ当な頻度順です。特に英文がどのような構成になっているのかを理解することが最優先です。文の並びとしては主語が来て、動詞が続きます。さらにその後には目的語などが続きます。この部分の出題率が高いのは自然です。接続詞thatで始まる従属節中の主語を空所に入れるなど細かい知識も尋ねられています。つまりIthinkthatyouareright.のthat以下はthinkに続く従属節でその節の主語はyouという知識が必要だということです。Ithinkという文に続いてthatの文が来るという知識が必要なのです。不定詞や動名詞と言った凖動詞(動詞に準ずる形の動詞)は日本の参考書に必ず掲載されている重要な文法項目です。ネイティブスピーカーも凖動詞の理解は大切だと考えているのです。

皆さんに理解していただきたいことは、ネイティブスピーカーが作問した4技能試験でも文法を軽視しているわけでないということです。文法のみの出題がなくとも、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの問題を通して文法知識は確認できます。ここまで読んでいただければ「英文法を学ばなくてよい」は何の根拠もない言葉であることがお分かりだと思います。

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堀切 一徳(ほりきり かずのり)

郁文館夢学園英語科教諭

1983(昭和58)年3月、東京学芸大教育学部中等教員養成課程英語科卒業、1985(昭和60)年3月同大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育専攻)修了、1986(昭和61)年4月郁文館学園英語科専任教員奉職。以降、33年間郁文館で英語教育に携わる。現在、郁文館独自の教育=夢教育(学力・人間力・グローバル力)を推進する夢教育推進部部長。

おもな著作に、『TOEFLテスト公式問題で学ぶ英文法』(2000[平成12]年、大津由紀雄氏・直井一博氏との共著)。 

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【2018/8月】効果的な英語学習法について

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