【大村 伸介】自分が源泉

いまこの原稿を書いておりますのは、4月10日。先生方のお手元に届くのは約1か月後となりますが、この日は4月にも関わらず東京での最高気温が5度…。箱根では積雪するという記録的な寒さとなりました。私は関西に居を構えておりますが、この日はコートを羽織っての出勤となりました。その一方で、沖縄では30度、北海道も例年の平均気温を大幅に上回る10度を記録しました。ある番組の気象予報士が、「寒くなるという予想はしておりましたが、本当にこの天変地異と言ってもいい気象変動は予測が年々難しくなってきました」とコメントしているのを見ていて、図らずもこの世相やこれからの未来を投影しているように感じました。

寒いのは誰のせい??

その翌日に某校の教職員研修をしておりました。このニュースをアイスブレイクにこんな質問をしました。

「では、この寒さ、いったい誰がつくりだしたんでしょうね」

「…???」

みなさん、一様にポカンとした表情をしています。

「では、違う質問をしてみましょう。郵便ポストが赤いのは誰がつくりだしたんでしょう?」

「日本郵政?」

「前島密??」

「これを自分だと捉えてみたらどうでしょう。例えば、私は少なくともポストを赤色から別の色に変えるための署名活動をしていません。個人的には青色なんていいかなぁと思うんですが、夜な夜な赤いポストに青色のペンキを塗ってまわるなんてこともしていません」

みなさん、引きつった笑顔を浮かべています。

「出来る出来ないを脇に置いてですが、ポストが赤色であることを受け入れる選択をしているんです。違う言い方をするなら、ポストが赤色なのはしょうがない、だってずっと生まれた時から赤色のポストしか知らないんだから、とあきらめる選択をしている自分がいるとも言えます。寒さもどうでしょう。明日は寒くならないようにと祈っていない自分のせいともいえますし、寒波を吹き飛ばす装置を作っていない自分のせいともいえます。で、あきらめて、コートを着ています(笑)。しかし、同時にそういう選択をしていることも自覚していますし、寒いという現状を変えることができるとも知っています。そして、自分の可能性を信じて、無理だとあきらめていることに挑む選択をした人たちが、世の中を変えてきたとも言えます」

みなさんの表情が変わった瞬間でした。

選択に気づく

研修先の某企業の社長からお聞きした話も紹介しました。新入社員のAさんが研修に遅刻してきたときのことです。遅刻の理由を尋ねると、

「すいません。電車が大幅に遅延したので…」

これに対し、社長はこうおっしゃいました。

「君が遅延する電車を選んで乗ったんだろう?」

「???」

全く意味を理解できないでいる新入社員がいます。

「電車が遅れることを止めることは我々にはできないかもしれない。しかし、遅れる電車に乗らないことはできる。一本前、二本前の電車に乗る、タクシーを捕まえる、レンタカーを借りる、ヒッチハイクをする…無限に選択肢がある。その無限の選択肢の中で、君は何もしないということを選んだんだ。仕事も一緒。無理だ、出来ない、無茶だ…を自分たちで選んでいるということ、そしてそれらは自分たちが創り出していることを知ってほしい」

この時、教材(?)になったAさんは、同期の中でトップの営業成績だったそうです。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長

集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員

ohmura
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【2019/2月】人にしかできないことは何か

【2019/1月】得たいものを得る

 

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