【山口 時雄】第32回 アナログ派の塾長さん、ICTの導入焦っていますか? 諦めていますか?

パターン3:段階的なICT導入を進めながら市場動向を見るバランス型

従来の顧客ニーズに合わせた授業スタイルを続けながらも、部分的にICT導入を進めていくパターンです。これまで顧客に評価されてきたアナログ的な強みはさらに磨きつつ、一方でこれからの市場の変化に遅れることがないよう備えていきます。自分が売りたいものではなく、顧客が求めるものを提供していく。個人・中小塾にとっては、もっとも現実的な選択肢と言えるのではないでしょうか。

さすがに10年近く前から孤軍奮闘しながら塾における学びのICT化に取り組んできた方のアドバイスなだけに、無理難題を押し付けてきたりしません。しかし、「そうか、これまでのやり方で出来る範囲で何が出来るか考えてみればいいんだな」なんて結論を出しているのだとしたら、「ボーっと生きてんじゃねーよ」と叱られますよ。

来年、2020年度にスタートする新しい学習指導要領では大きな「学びの改革」が実施されます。第1は「主体的・対話的で深い学び」、いわゆるアクティブラーニングの導入です。これまでの教師から児童生徒への一方的な一斉学習による「記憶の学び」から、個別学習や協働学習を取り入れた「考える学び」への変革です。何を知っているかではなく、課題解決のために知識をどう使うのかが問われる学びです。第2は、「情報活用能力」の育成です。学校のICT環境を整備することを前提に、ICTを活用して学ぶことが求められます。キーボードを使ったタイピングはもちろんネットワークの活用やプログラミング的思考の育成、情報モラルに至るまですべての教科でICTを活用することが求められるようになります。

そして、もう一つ大きな教育改革。それが大学入試改革です。これまでのマークシート式の入試から、記述式や英語4技能(読む・書く・聴く・話す)が問われる入試へ、またCBT(Computer-BasedTesting)と呼ばれる、PCを使用した試験の導入も検討されています。もちろん「情報科」が大学入試に加えられるという案も検討されています。

そんな時代になるのに、塾はいまのままで良いのでしょうか。

あなたの塾がいま盛況で、この先5年以上続けるつもりがないか、または大学入試や就職試験を念頭に置いた学びと関係の無い分野だとしたら、いま早急にICT対応を考える必要はないでしょう。しかし、大学入試や社会で生き抜く力を身につけることを目指すのなら、5年より先まで続けて行こうと考えているなら、真剣にICTの導入や学びの変革を考えなければなりません。あなたの塾を変革するにはまず、あなた自身が変わらなければならないでしょう。お手伝いが必要な方はメールを下さい。

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山口時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長

日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。2013年~現職。

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