【森上 展安】早慶上理、GMARCHで一層共学伸長

中学受験の人気校は、大きくは2つの流れがあって、一つは東大を始めとする難関国立大、医学部志向と、もう一つは私大難関の早慶MARCHへの志向だ。

前者の進学校は上位に名だたる男子校、女子校が不動の地位を占めているが、後者の私大難関実績校は、近年共学校の伸長が著しい。特に今春の実績をみるとその変化が大きく、来春以降の人気潮流をみる上で共学中堅校の存在が大きくなっている。

都市大等々力、大宮開成、桜美林、日大、青稜、宝仙学園、桐光学園

まずGMARCHの今春の一人当たりの合格者の多い校名をターゲットゾーンである偏差値50未満(四谷大塚偏差値)で校名をあげると以上のようになる。偏差値50前後のこうした学校に進学して、出口実績がGMARCHの学校は60%前後の合格率をたたき出している。中でも都市大等々力は121%、大宮開成は99%で別格だ。上記の中で日大だけは日大進学者を除いた分母にしているが(附属校に対しては小社はそのように進学率を算出することにしている)、いずれにしても抽出した学校は入口の偏差値が6年前46~47近辺の学校だった。これに加えて、女子校では東京女学館が63.5%、恵泉女学園が61%と高い実績を出してこれらの共学勢と伍しているのと、男子校では唯一成城が72%を出して孤軍奮闘している。しかし、上記7校は神奈川の桐光学園、日大、神奈川に近い桜美林、そして埼玉の大宮開成を除いて、東京の都市大等々力、青稜、宝仙学園はいずれも女子の共学リニューアル校で占められている。

もう一段入り易い偏差値40前後のGMARCHの実績は30%前後が健闘校になるが、東京成徳大、淑徳、千葉日大一、多摩大聖ヶ丘などがやはり実績を出しており、女子校の神奈川学園、東京純心、男子校ではやはり唯一日大豊山が38%と健闘している程度である。

帝京大、桐蔭中等、中大横浜、國學院久我山、山手学院

ついで早慶上理の切り口でみると、入口偏差値55未満50以上(6年前)、出口が60%前後をキープしたのが上記の学校となる。やはりここも全く共学校で、但し、例外は桐蔭中等でこの実績は男子校としての実績だ。この中では新参は中大横浜で、勿論中大の附属校だが中大進学者をのぞいた分母で算出すると60%を超える合格率となる。ついでにいえば、言うまでもなくこちらも女子校のリニューアル共学校である。桐蔭中等が共学化したので、このゾーンは共学一色の実績校となった。

早慶上理実績上位は男子校

入口偏差値が55を超える学校の大学実績が早慶上理の上位パフォーマンス校が主流となるが、特に目立つのが男子校だ。このゾーンは従来、女子上位校の定番のような代名詞のようなものだったのが、ここにきて男子上位校の存在感が増している。即ち、城北、世田谷学園、攻玉社、桐朋などが入口偏差値対出口実績で他より4ポイント以上優れた実績を出している。

実はこれらの学校はこれに巣鴨を加えて難関国立大の好パフォーマンス校でもあって、これらの実績とともに早慶上理を併願する結果、早慶上理の好パフォーマンス校にもなっている事情はある。しかし、ここにきて男子校が浮上していたのは何といっても23区私大定員厳格化の影響が大きいと思われる。いわばガチガチの男子上位層の早慶上理合格者が合格者として残るほど、それらの合格が厳しくなっているのだと思われる。

一方、同じく入口偏差値55強~59で出口で早慶上理実績のよいところをみると、頌栄がダントツで126%、ついで栄東、広尾学園、神大附属、開智と共学校しか浮上してこない。女子校はどうかすると3~4割台で芳しくない部類になってしまう。女子校は頌栄の独走状況となっている。

これらの男女別学校の好パフォーマンス校の合格は卒業生対比のべ合格者数が100%以上になっているので、のべ数とはいえ、いわば「最低でも早慶上理」という姿勢を示している、とも言えよう。

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森上 展安(もりがみ のぶやす)

1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育を対象とする調査・コンサルティング分野を開拓した。

私塾・私学向けに『中学受験と私学中等教育』を月刊で発行している。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』、『中学受験入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)。

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