【大村 伸介】怒らない自分になろう

初夏、というには暑すぎる毎日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

「そういや、夏はパパがイライラになるよね」

次女の言葉です。先月号では「自分が源泉」というタイトルでお伝えしておきながら、お恥ずかしい話です。それはさておき、最近の保護者会や研修会では、怒りと叱りについて、お話しすることが少なくありません。暑さが本格的になってきた今、自戒の念を込めて、怒りと叱りについてお伝えします。

怒りとは

「はぁ、今日もやってしまった・・・」

「怒らないでおこうと思っているんですが・・・」

「怒った後ってほんとうに嫌な気持ちになるんです・・・」

怒った側の感想です。怒りは、どんな生物にでも起こります。それ故に、自覚しにくく、また自覚したくないものでもあります。それが続きますと、怒りに振り回されるという結果を生み出し、暴れ出した感情を抑えきれずに言葉を吐き出してしまいます。

では、怒りとはいったいどういうものなのか、整理してみましょう。
 

怒り
起点  感情
対象  無関係の対象まで混ぜて扱う
観点  観点主にマイナス面と過去
身体の状態  目がすわり、厳しい表情であることが多く、大声を発
 し、時としては震えや硬直、発汗などをともなう
怒った側の結果  言ってスッキリする、言って自己嫌悪に陥る
怒られた側の結果  打ちのめされる、反抗または逃避行動をとる

特に、怒られた側が、反抗や逃避の行動をすることで、怒る側の怒りが増幅しますが・・・人間も動物です。危険を感じれば、戦うか逃げるかの二者択一になるのは当然のことです。

また、無関係の対象まで混ぜて怒っていることに対しては、怒っている最中、その自覚はほぼありません。

「あんたは、いつもゲームばっかりやって…。そんなことだから、成績も下がるし・・・。そうそう、顧問の先生から聞いたけど、部活も最近、サボり気味なんだって!?」

講演会や研修会では、爆笑とともに大きく頷いておられる方も多く見受けられるくだりです。

怒らない自分になるには

昔から、喜怒哀楽というように、怒りの感情を起こさないことは無理です。しかし、怒らないようにはできます。簡単に言えば、怒りをそのままにすることです。

「怒ってはいけない」

「怒っている自分はだめだ」

と抑え込みもせず、目を背けることもせず、その怒りを感じ、観察することです。観察が機能し出すと、

「あんたは、いつもゲームばっかりやって・・・。そんなことだから、成績も下がるし・・・。そうそう、顧問の先生から聞いたけど、部活も最近、サボり気味なんだって!?」

という怒りの最中に、

「あ、ゲームのし過ぎを注意するはずだったのに、成績や部活のことまでしゃべっているな」

「子どものマイナスと過去ばかりに焦点を当てているな」

と、自分が無意識でやっていることに光が当たります。これが怒らない自分になるためには重要です。

その観察をもう一歩進めてください。怒っている最中の自分の身体も観察してみましょう。怒りは一種の生理現象です。必ず身体のどこかに普段とは違う変化が現れます。目がすわる、口角が下がる、体温が上がる、汗をかく、震える、筋肉がこわばる、呼吸が浅く速くなる、心臓の鼓動が速く大きくなる・・・もちろんこの変化は、すべて無意識につくりだされています。こうやって無意識の部分に光を当てることで、怒りの感情が収まってきます。このように、怒りは自分でコントロールできるものなのです。そして、そのことを自覚している人は、非常に少ないのです。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長

集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員

ohmura
▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2019/5月】自分が源泉

【2019/2月】人にしかできないことは何か

 

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