【堀切 一徳】グローバル教育における英語教育

グローバル教育について

日本でもグローバル化が進み、外国人と協働することがすっかり普通になってきました。街中でも移住してきた外国人の方と会うことは珍しくありません。各高校のHPを見てもグローバル力、グローバル教育について書かれたウェブページがあります。実際、ある調査によると首都圏の私立中高のほとんどがグローバル教育を行っているそうです。それでは具体的にグローバル教育の内容とは何でしょうか。グローバル教育は国際社会のリーダー、つまりグローバルリーダー育成のために行われると考えられます。その教育内容は通例、以下のようになります。

1.「幅広い教養」

2.「コミュニケーション力」

3.「多様性を受け入れる力」

4.「相手を理解する力」

5.「プレゼンテーション力」

中高の授業の中でこれらの能力を身につけられる授業とは具体的には何でしょうか。1の幅広い教養はすべての授業が関連しますね。文系の基礎知識、理系の基礎知識が個々人の教養となり、判断の基準となります。現在、中高で力を入れている「(社会)探究」でもテーマを限る分、幅広さが限られますが、やはり教養を身につける時間と考えてもよいでしょう。2の「コミュニケーション力」とは「人ときちんと話せること」ですから、国語や英語の言葉の授業がその力を育みますが、コミュニケーション能力は話す相手がいないと育成できないので、講義型の授業ではなく、ここ数年熱心に行われるようになったアクティブラーニング型の授業でコミュニケーション能力が培われると思います。グローバル教育に取り組んでいるということであれば、この授業はこの力を伸ばし、海外研修ではこの力を伸ばすというような具体的な紹介があると受験生は「グローバル教育」について理解が深まるのではないでしょうか。言うまでもなく、グローバル教育=英語教育ではありません。3・4の「多様性を受け入れる力」や「相手を理解する力」は仲間と一緒に何かを行う際に育成されます。本学園のグローバル高校には「協働ゼミ」があり、一つのテーマ、例えば「アジアの貧困問題」などを取り上げて、現在ではSDGs(SustainableDevelopmentGoals)につながる活動になっています。(SDGsについて詳しくはhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.htmlをご参照ください。)5つ目の「プレゼンテーション力」は発信力と捉えてもよいですが、これは「探究」や「ゼミ活動」の発表の際に培われると考えるのが自然でしょう。プレゼンテーション資料(パワーポイントファイル)をPCで作り上げる際にも、人に何を伝えるかを考えながら、効果的な資料を作成することで、さらに発表の練習ではジェスチャーや視線について指導を受けながらプレゼンテーション力を高められます。

もちろん、海外の学生との学校交流時、海外研修時などにも、「多様性を受け入れる力」、「相手を理解する力」を伸ばす大本となる経験ができます。国際交流や海外研修、さらには1年留学を用意している学校が増えていますので、グローバル教育にしっかり取り組もうという現れです。さらにもう一歩クローバル教育を進めるには、海外大学進学があります。海外の大学で一人でやっていければ、上記の能力は確実に身につけられ、日本に帰国後にグローバルリーダーとして活躍できますが、現状のところ海外大学進学に力を入れている高校は少ないです。グローバル教育に力を入れている学校には進学校も多々あります。やはり日本の難関大学へのこだわりが、海外大学への進学を妨げているようです。

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堀切 一徳(ほりきり かずのり)

郁文館夢学園英語科教諭


1983(昭和58)年3月、東京学芸大教育学部中等教員養成課程英語科卒業、1985(昭和60)年3月同大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育専攻)修了、1986(昭和61)年4月郁文館学園英語科専任教員奉職。

以降、33年間郁文館で英語教育に携わる。

現在、郁文館独自の教育=夢教育(学力・人間力・グローバル力)を推進する夢教育推進部部長。

おもな著作に、『TOEFLテスト公式問題で学ぶ英文法』(2000[平成12]年、大津由紀雄氏・直井一博氏との共著)。

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▼『堀切 一徳』の過去記事を読む

【2019/7月】英語学習と日本語について

【2019/6月】実践的英語力(アウトプット重視の英語力)について

 

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