【大村 伸介】あり方からくる承認を!

人は育とうとする生き物だ

そして、みんなでA君に説明しましたが…

「そんなん言うたって、おまえらが決まり事守らんのがあかんねんやろっ!」

A君、反撃に出ております。

「それやん、その言い方腹立つねん!」

「そやそや」

言われっぱなしではありません。そんな攻防が5分くらい続いたでしょうか。どんどんヒートアップし、他のグループの生徒やスタッフも心配になってきた頃合いに、一言、

「みんな、言いたいこと、はっきり言い合えてるやん!」

言い合っていた全員がハッとなったのは言うまでもありません。

「でも、なんか楽しくないよな」

A君がポツリ。

「そやな。ケンカするために合宿きたんちゃうしな。俺らもなんかごめん」

他のみんなもポツリ。

「言いたいことは言い合える仲になったのはええやん。で、どんなグループがいいの?」

この質問にみんなで考えます。出てきた結論は、

「言いたいことは言い合えて、ごめんとかありがとうと言えるグループ」

これがそのままこのグループの目標になりました。

合宿中、このグループは一番多く揉めていました。同時に一番多くありがとうとごめんなさいが行き交っていたようにも思います。合宿最後の夜、キャンプファイヤー終盤のカウンシルファイヤーで、このグループの生徒は嗚咽交じりに泣きじゃくっていました。

存在承認の重要性

ありがとうの気持ちを伝えるツールとして、弊社では『ありがとうカード』なるものを開発し、運用しています。今回紹介したグループのありがとうカードにはIメッセージと存在承認が溢れていました。それは生徒同士だけではなく、グループを率いるスタッフに向けられていました。

「このグループでいてくれてありがとう」

「僕たちをいつも見守っていてくれてありがとう」

「だめなことはだめと教えてくれてありがとう」

「このグループでほんとうによかった。一生忘れません」

参加したスタッフたちもまた、目に見えない大きなお土産を手に帰っていくのです。

寝食を共にするという異空間での環境がお手伝いしているという面はあります。しかし、日常においても存在承認は可能です。自分のあり方を信じて、時には生徒のように無邪気に承認の言葉を届けてあげてください。承認は生きるための栄養素なのですから。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

(株)成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

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▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2019/8月】自分を承認しよう

【2019/7月】怒らない自分になろう2

 

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