編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

【野田塾】愛知県全域での信頼獲得と低学年の裾野を広げて安定経営を目指したい

 半世紀を経てなお地域から絶大な信頼を得ている名門「野田塾」。小川英範氏から三輪宏へと塾長が継承されたが、その目指すものは変わらない。しかし、教育ICT化時代を先取りした「nPad」をデジタル化の柱としつつ、それを補う講師育成にも「全国授業大会」の主催などにより、さらなる注力をしている。新しい塾長、三輪宏氏に津島市の野田塾本部で取材した。

集団に加えて個別と低学年の生徒集客

千葉 愛知県で展開されていますが、売上高・経常利益・正社員数・校舎数・生徒数など、直近の規模について教えてください。また現在、特に注力している地域や校舎、または事業部門はありますか?

三輪 平成30年度の売上高は38億1,400万円(経常利益は1億9,400万円)です。正社員数は約200名、教室数は63校舎(個別専門館1校と幼児教室専門館1校を含む)で生徒数は約1万名です。尾張の西部は安定しており、今後は名古屋市の東部や三河方面の充実を図りたいと思っています。事業部門では、従来の小中部に加えて、個別指導部、高校部に注力しています。また、小学校低学年の掘り起こしに「アカデミア部門」を開講しました。

千葉 個別指導が1教室できましたが、集団指導の生徒は減少しているのでしょうか?

三輪 少子化の進行を背景として、地域によって学齢人口が減っており、教室を移転したり統廃合したりするケースもあります。まだ学齢人口が増えている地域もありますが、5年前に比べて10%ほど減少して、まだら模様になっている感じです。新規の校舎を出す場合には、それを見極めていく必要があります。また、集団ではなく個別というこれまでとは別の業態で生徒を集客する必要もあり、これから個別指導教室の拡大も視野に入れているところです。

小学生は発達段階に合わせた能力開発

千葉 「アカデミア」というコースの詳細と狙いについて教えてください。

三輪 野田塾の教育理念は「未来にはばたく優れた人格の育成」ですが、そのためには、将来を見据えた学びや発達段階に合わせた能力開発が必要です。小学校低学年から、基本的な計算力や思考力を身につけ、学力の基礎を確立しておくことが大事です。学びの基本を身につけるため、「はま道場」「そろばん塾ピコkids」「習字教室筆kids」「時事・記述・作文ゼミ」「速読BB」「ABCmouse」を開講して、低学年の能力開発に貢献したいと思っています。

千葉 アカデミアは幅広い低学年を対象としているのですね?

三輪 小学1年生になる前の年中・年長の子も通っています。メニューがいろいろとありますから、幼児から選んで取り組めるのが特色の一つです。特にそろばんと習字などが人気ですね。保護者の方はやはり小さいうちに計算力を身につけてほしいと思っているようです。

英語指導はnPadの活用で進化

千葉 いよいよ来年2020年を目処とした教育改革が実施されますが、貴塾の対応はいかがでしょうか? また、保護者や生徒に何か今までと変わった点は見られますか?

三輪 愛知県は保守的で、新しいことへの取り組みが遅いと言われています。他府県の動向をうかがいながら、市場のニーズを判断して新しい取り組みについて検討していく予定です。しかし当社では、英語の4技能対策にいち早く取り組んできました。リーディングやライティングはもちろんですが、スピーキングやリスニングへの対応も強化中です。

 中学部では、nPadを活用することで、スピーキング力やリスニング力の養成が可能となってきました。また、高校入試を見据えたリーディング力の養成も図っています。

 小学生の英語のニーズは、愛知県では今のところ思ったほど高まっていません。生徒の保護者は、英語の能力をネイティブと会話できる方向で求めているようなので、そのニーズに対応していく必要があると考えています。プログラミングも現在検討中ですが、他府県ほど反応が良いわけではなく、盛り上がりに欠けているようです。

 高校部では、代ゼミサテラインを活用しつつ、大学入試改革への対応も進行中です。こちらは併設で50校あります。

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