【大村 伸介】ギャップの源

11月に入り、いくらか暑さは落ち着いているのでしょうか…。この原稿を書いている10月10日現在、私、まだ半袖のクールビズです。加えて、台風による被害が関東を中心に先月より報道されております。一日も早い復旧をお祈りしております。

 

暇だから掃除!?

長女の中学校では、秋に毎年、学習発表会なる名称で、文化祭が開催されます。その目玉は、クラス別、そして学年を越えた縦割りで構成されるブロック別の、合唱コンクールなのですが、先日(というか昨日の10月9日)、クラスの団結をこのコンクールに向けて高めるということで団結式と銘打ったたこ焼きパーティーが我が家で行われました。

クラスの半数は参加ということで、その人数およそ20名強…。はじめは地域の公民館や自治会館を当たったようですが、すでに申込期限が切れていたり、別の催しがあったりと、急遽の催しには対応できなかったようで、前日に我が家が会場になったそうです。中学3年生ですので、親が特段用意してやることなど何もないのですが、メイン会場である庭の手入れと、パーティー準備に使う台所くらいはきれいにしておいてやろうと思い、休日でしたので、せっせと掃除しておりました。

そこへ翌日に修学旅行を控えました次女が小学校から帰宅し、掃除をしております私を横目に
「パパ、暇なん?」
と…。掃除をしているのに、ですよ。私もちょっと怒り気味に、
「へ!? 掃除してるやん!」
と返しましたら、明らかに困惑している次女の姿があるわけです。

「ごめんごめん、パパ、掃除してるから暇なんかなぁって思って…」
ますます意味が分からなくなってきました。
「いやいやいや、掃除してるから暇ちゃうんやん!」
より一層、怒り気味に答えた私に対して、
「私は暇なときに掃除するからさ、パパ、やることなくて掃除してるんかなぁ、って思って…。ごめんね」
ときたわけです。

私の中では、
【掃除をしている=暇ではない】
なのですが、

娘の中では、
【暇にしている=掃除をしている】
なのです。

同じ現象でも捉え方が異なり、それが私の中に怒りという感情を生んだわけです。
「へぇ、おもろい! これ、記事にするわ!」
と言ってしまったので、記事になりました(笑)。

 

頑張ってる?

普段何気なく生徒へ使う言葉に
「頑張ってる?」
というのがあります。こういう時、
「はい」
で答えられると、
「頑張ってないから聞いたんだろう!」
とやってしまいがちです。

実際、私も無意識に使ってしまいがちです。よく考えてみれば、頑張っている相手に、こんな質問はしません。頑張っていないという判断が、この質問を作り出しています。

「いやいや、頑張ってますよ!」
なんてきましたら、
「じゃあ、何をどんな風に頑張っているんだい? 分かるように教えてくれよ!」
なんて返しがち。

これは、私が講演会や研修でおそらく何千回とお話ししてきた内容です。こちらの頑張っているという状態と、生徒の頑張っているという状態にギャップがあり、頑張っているという曖昧な言葉の定義が各々違っていることに起因するわけですが、そこにスポットを当てたコミュニケーションをしない限り、いつまでたっても平行線というわけです。

挙句の果てに、
『生徒という生き物は、頑張っているとかすぐに自分にOKを出して、自分に甘くしてしまう』
『頑張っているという本物の状態を思い知らせてやらなければ』
と先生方はなってしまいがちですし、生徒にしてみれば、
『先生は私の頑張りを認めてくれない』
『この先生と話をしてもムダだ』
となってしまう可能性もあります。そして、それらは、お互いに良からぬ感情を生み出していくことが多いのです。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

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