【山口 時雄】第38回 新学習指導要領が示す高校の英語教育「4技能・5領域」の意味とICT活用②

校長先生、あなたの学校の英語の先生、英語で授業やっていますか。「もちろん、全員ネイティブです」と胸を張る校長は別として、多くの学校では、ネイティブでもなければ、英語圏での生活経験もない先生が、必死で英語での授業を進めていることでしょう。この先少しでも質の高い英語学習を目指すのなら、ここはやはりICTを活用することです。

高校で英語を学ぶ意味

前回は、高校の新しい学習指導要領に示されている「高校で英語を学ぶ意味」について考えてみました。外国語を学ぶ目標としては、外国語による「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと」および「書くこと」の言語活動を通して、情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図るために必要な「知識および技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の資質・能力を更に育成すること。つまり、新しい学習指導要領では、英語でディスカッションをして英語でプレゼンテーションできる能力を育成することを目指す、ということです。そして、英語に関する各科目においては「生徒が英語に触れる機会を充実させるとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする」としています。

「授業は英語で行うことを基本とする」というのは、「絶対英語で授業を行うこと」ではないですが、現場の先生にしてみれば、学習指導要領で定められている以上、できる限りその状態に近づけたいでしょう。しかし、英語がネイティブ程できるわけではない先生が「英語で英語の授業」を行おうとすると、英文の解説や発問を一方的に読み上げてしまうことで生徒が理解できなかったり、自分で話せる範囲の英語でコミュニケーションしようとするため会話のレベルが低くなってしまったりということがあるそうです。語学教育という学研的な視点からも、無理して行う「英語で行う英語の授業」は課題が多いという意見もあるようです。

 

英語でのコミュニケーション

しかしひとまず、高校の英語教育が英語4技能を駆使して「英語でのコミュニケーション」を目指すのであれば、多くの日常的な英語に触れ、聞いたり話したりする機会を創出しないわけにはいきません。そこで、活用して欲しいのが英語学習のためのICTツールです。概ね3つの分類になります。

1)AIを活用したアプリやWebコンテンツとの会話
2)ネットでの外国人との会話
3)ロボットを相手に会話

「会話」と付けているのは、ICTを活用した英語学習で大切なのは「インタラクティブ(双方向)性」だからです。いくら質の良い英語教材でも一方的に聞いているだけでは、コミュニケーションに必要な英会話能力は身に付きません。

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山口 時雄(やまぐち ときお)

ICT教育ニュース 編集長


日本大学法学部新聞学科在学中から映像業界で活動。

フリーの映像作家を経て、1986年(株)フレックス入社。

NTT関連の広報活動、通信イベント等多数参画。

1990年~93年テレビ朝日「ニュースステーション」ディレクター。

1994年~フレックス報道担当取締役。2003年、メディアコンサルタントとして独立。

2013年~現職。

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