編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:井上 晃先生 【京大個別会そろばん塾ピコ世田谷】東京都

【京大個別会そろばん塾ピコ世田谷】一人でも多くの子ども達に、20年後に役に立つ能力を身に付けて欲しい!! 左脳ベースのAIを右脳(創造力・構想力)で追い越して欲しい

小6の6月までに1級を取得し、夏から本格的な中学受験へ

千葉 全国的に少子化と増税、教育改革などに対応できない塾もありますが、何か対応策は講じていますか?

井上 増税についてはそれほど混乱はありませんでした。また、世田谷区には情報力の高い保護者も多く、教育改革についても確認するという感じで、特に深刻な相談は今のところありません。ただ、大学受験を見据えた相談にはいつでも対応できるようにしています。まずは小学6年生の6月を目処に、そろばんで1級の資格を取得し、夏から本格的な受験メインに切り替えていくというパターンが多いですね。

 

母親同士のネットワークで先生確保

千葉 人材の確保と研修などについて教えてください。

井上 そろばんの先生はほとんどが近所に住んでおられる主婦の方で、段位を持つ方もおられます。そろばんの先生に適している方がいれば講師をお願いしていますが、時間的な制約もあり、採用できないケースもあります。

先生方のネットワークで新しい先生を紹介していただくことが多いです。ピコ本部の講師研修プログラムが非常に充実していますので、あらかじめそろばん指導のベースを教えてもらい、それにそれぞれの講師の子育て経験を活かしきめの細かい温かみのある対応ができるので、とても助かっています。

千葉 京大個別会では、そろばんの指導を行う「PICOロボット」を開発していますが、先生のところでモニターをされるということですね?

井上 好奇心旺盛な小さい子どもたちがいたずらしたりしてすぐに壊されないか心配です。私見ですが、ロボットが人間の代わりになるというのは難しいと思います。ただし、自分のペースのできている子どもが使いこなせば、学習の補助になると思います。

 

論理的に考えられる子どもを増やしたい

千葉 先生の個人的な夢、あるいは塾としての目標は何でしょうか?

井上 今の子どもたちが20年後に役立つ能力を鍛えたいですね。AIが人間の仕事を奪って行く時代に、何が必要とされる能力なのかを見極め、右脳領域(創造力・構想力)を鍛え、左脳ベースのAIを使いこなすような人間になってもらいたいと思っています。

「論理エンジン」のキッズ教材を使っていますが、国語、特に作文を書く力が小学校低学年に身に付きます。幼い頃から論理的に考える能力を鍛えることが大切であり、そろばんと論理の組み合わせがとても良いのかもしれません…昔は「算盤と論語」でしたが(笑)。特に「受験算数は国語」だと言われており、読解力と論理力が身に付いている子は受験算数に対応しやすいと思います。

夏期講習に参加した30人の子どもたちの小学校はみんな別々で、最初のうちは緊張していましたが、次第にコミュニケーションがとれるようになって、最後はみんな仲良しになっていました。学校は別でも生活圏が同じなのです。作文で自己紹介することで、新鮮な気持ちでお互いを理解し合えたのです。人材を確保し、地域の信頼も得て、子どもたちが楽しく学べる環境をもっと増やしていきたいと思っています。

(2019年10月7日、東京都世田谷区の千歳台教室で取材)

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