編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:今村 明広 社長(株式会社れんせい) 【練成会グループ】 北海道

【練成会グループ】質の高い人材を確保して人づくりで未来の国づくりに貢献したい

北海道だけでなく東北3県でも確固たる存在感を示している練成会グループは、ベトナムでも1万人を超える規模となった。
しかし、いずれも通過点に過ぎない。練成会グループの教育理念と指導モットーをブレのないようにしつつ、時代の流れに乗り遅れない最新の教育ICT化も図りながら、生徒ファーストの塾として、これからも各地域の教育を下支えする。
練成会グループの現状の課題と今後の方向性について、今村明広社長に取材した。

国内外で3万名を超える児童・生徒を指導

千葉 現在の規模についてお尋ねします。展開している都道府県と教室数、生徒数について教えてください。

今村 教室展開は、国内では北海道、山形、青森、仙台の1道3県。宮城は「仙台練成会」となっていますが、仙台市の北部ベッドタウンとして発展著しい大和町にも教室を展開しています。

また、海外はベトナム・ホーチミンシティに直営3校舎とあわせて、公立小・中学校18校の学校施設での指導も行っており、現在は国内外28都市・240教室を展開。練成会グループ全体では3万人を超える児童・生徒の指導にあたっています。

千葉 ベトナムは社会主義国ですから様々な障壁もありそうですが。

今村 そうですね、たしかに(笑)。・・・ベトナム進出当時はライセンス取得には苦労しましたし、さらにベトナムでは禁止と謳われているものの学校の先生たちは副業として課外指導を有料で行っているため、日本のような教科指導を推し進めていくことにはまだまだ到達していないという現状もあります。しかしながら、ベトナム人講師がベトナム人の子どもたちを指導する仕組みは5年目を迎えた今、確立されつつあります。

千葉 正社員数と男女比、平均年齢について教えてください。

今村 正社員は国内外グループ全体で620名を超えており、男女比は約7:3。平均年齢は34歳となっています。

 

新規コンテンツ導入にも積極的に!

千葉 釧路でそろばん教室を新規開校しましたが、これについて今後の計画を教えてください。

今村 この11月から釧路地区の昭和中央と景雲の2教室で正式開校しました。塾の教室の空き時間を有効活用しつつ小学校低学年の集客ができるので期待しており、今後北海道の他の都市にも開校する予定です。

改めて各地域のそろばん塾を探すと結構あります。また、塾にアウトソーシングされているケースも見受けられ、北海道各地でかなりのニーズがあると思われます。しかし、ニーズを奪い合うのではなく、新たなマーケットでのチャンスでありチャレンジであると考えて、ニーズを掘り起こしていきたいと思っています。また、プログラミング講座も今年新たに開講している都市もあり、現場が混乱しないように気をつけながら、模範となるモデルケースを増やしていければと思っています。

 

地域の教育に貢献できる塾であり続けたい

千葉 北海道、山形、青森、仙台と教室展開していますが、人材確保を含めた、現状の課題と今後の方向性について教えてください。

今村 宮城県の仙台練成会は開校してまだ3年ですが、すでに10会場になっています。全国模擬授業大会の歴代グランドチャンピオンが3名在籍していることを強みとして、教育熱心なマーケットである地域の教育に貢献することが私たちの最大の使命と考えています。同様に青森県は青森市内と弘前市、山形県は山形市内と天童市・東根市と今後も小中高のニーズを捉えていき、足場を固めつつ整備もしてクオリティを高めていければと思っています。

千葉 公教育との連携も各地で行われていますよね。

今村 塾に求められるニーズの多様化は近年益々顕著であり、北海道の各地での格差も見られる状況のなか、練成会グループとしても公教育との連携において、塾の指導力で生徒たちの学力向上に貢献すべく関わらせていただいています。現在実践されているケースとしては教育委員会からの相談・要請の下に、市町村に講師が出張授業しに行ったり、教育イベントに参加・協力したりしています。こうした動きは今後も増えて行くと予想されます。

練成会グループも北海道全域に加えて東北3県の展開になりましたが、人材の質が薄まらないようにすることと各地域の足場をもう一度固めていくようにしたいと思っています。

 

教育改革でどう変わっても対応できる態勢を目指す

練成会合格実績

千葉 いよいよ2020年を目処とした教育改革と大学入試改革が本格化しますが、貴社の対応、生徒・保護者の反応などを教えてください。地域によっても違いますよね。

今村 教育改革ならびに大学入試改革については問い合わせこそそれほど多くはないものの、関心の高さは想像以上であると推測でき、今回の英語の民間テスト導入見送りでは「はしご外し」のような側面もあり、せっかく準備していた生徒たちがちょっとかわいそうです。俗に言う大人の事情に振り回されたかたちが色濃い改革となっていますが、改めて、誰のために・どこに向かっていくのかを明確にする必要があると個人的には思っています。

今後は、新テストがどう変わっても大丈夫なように、基礎学力を定着させることと柔軟性のある学習姿勢の育成を早い段階から日々心がけるように伝えていきます。

千葉 少子化で公立高校の入試倍率が全国的に低くなっていますね。

今村 北海道でもトップ高校の倍率が1.0前後というところが増えており、全国の地方都市同様に塾に行かなくてもいいという風潮が強まっている傾向にあります。そのような状況のなか、子どもたちを取り巻く環境を重視しており、特に家庭環境は重要であり、従来の保護者会の開催とともにマザーカレッジやママコーチなど保護者を啓蒙しつつ一緒に考えていきましょうというセミナーを定期的に開催したりしています。

千葉 ところで北海道大学の人気はどうなのでしょうか?

今村 北海道の人たちは北海道から出たがらない傾向が強いのですが、北海道大学の道内占有率は3割そこそこの状況です。これはなんとかしたいですね。

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