全国主要塾最新レポート[後半] 雪解けに 電話が鳴って また合格 パンデミックで 式典できず

J塾・・・『公立中高一貫校・連携校で中学受験ニーズが高まる』

「I県で公立中高一貫校・連携校が続々と出来るということで、少し追い風が吹いています。1月に入試があり新規3校とも3~5倍の倍率で、新たな中学受験ニーズの高まりを感じています。次年度も2つの地域トップ校が公立中高一貫になるので、対応していく予定です。

それほど規模が大きくないのに当塾はコンテンツが増えてしまい、メニューの多い定食屋のようになっています。やりきれていないものも多く、整理するというかシフトチェンジして、より良いもののラインナップを構築したい。たとえば、小学生を中学部門に継続させるための中学準備講座といっても生徒が自立するのに役立つのかということを考えて、別のイベントも考えていきたいと思っています」

 

K塾・・・『公立が荒れて私立中高受験と塾が盛り上がる』

「当県では、このところ公立中高が荒れてきたことで、中学受験ニーズが盛り返しています。そして私学も好調で、まさに公立劣化のおかげで塾も私学も潤っているという状況です(苦笑)。皆さんもニュースでご存知かもしれませんが、公立劣化の象徴的なものは生徒が生徒を刺したという事件であり、かなりのマイナスになっています。言い方が悪いかもしれませんが、このために高校受験も塾もチャンスが拡大中です・・・。かつて学級崩壊の頃、1つの教室に中3だけで100人はいましたから、それに近いバブル状態ですが、油断せず原点回帰で指導に取り組みたいと思っています」

 

L塾・・・『偏差値が低い生徒でも何かしらの技で活躍出来る』

「当社は個別指導塾と自立学習教室の2つのブランドしかなく、偏差値でいうと40の後半の生徒が中心です。したがいまして、点数を競い合う学力テストなどはちょっと参加が難しいところがあります。挑戦してショックを受けて塾を辞めるというケースが心配です・・・。

私たちは日々、定期テストの得点力アップ、楽しく通塾する、そしてリーズナブルな塾を目指して塾運営に取り組んでいます。この他にはなかなか手が出せません。

定期テスト対策は当塾の命綱であり、徹底的に分析して、各学校使用のテキストをシフトさせています。と言いつつ・・・実は一年前からプログラミング講座をやっていますが、理由としては、偏差値が低い生徒でも何かしらの技で活躍出来るようになるという手応えを感じているからです。検定も作って、ちゃんとやれる子は将来その道で就職が出来るようにしたいと思っています。これが三つ目の柱になればいいと考えているところです」

 

M塾・・・『私立高の後期入試減り入試の中身も変質』

「2月は毎年入試があり、朝早く激励して眠そうにこちらに伺っていましたが、今年はなんと異変・・・2/5の私立高入試がなくなってしまいました。後期がなくなって前期だけで合格が決まったのです。この後期入試縮小傾向は突然であり、入試の中身も変質し、前期の一発勝負の入試に対応するのが大変でした。

中学受験は一部盛り上がってきているところもありますが、きついところもあり苦戦です。大学受験の高校生も苦戦しており、中学生を継続させて来期以降に期待します。

当社の決算としては、昨対マイナスで推移して、12月継続で少し盛り返し、最終的に98~99という惜しいラインで着地という感じで苦しみもがいています。

大学入試改革の迷走の影響で当社も改革しようとしてもやりっぱなしのところがあり・・・近くにはふなっしーという存在が有名ですが、うちの近くにはきっと“ばなっしー”がいて意地悪しているのかもしれません(笑)」

 

N塾・・・『中高年社員の劣化で代表が社員教育』

「当社の四大イベントについてチラシがありますので、ご覧いただき是非ご参加してください。

時間講師の仕事の質を高めるため、社内で3、2、1級の資格試験を設けました。成果はまたご報告します。

中高年社員の劣化が激しいのに態度は大きいままなので、当社代表自ら再教育することになりました。教育出来なかったら一緒に辞めると代表は宣言し、社員皆が戦々恐々としている今日このごろです・・・。外部からではなく、私も含めて中高年社員自らが向上しないと生き残れません。代表からは組織の癌細胞を消滅させるということです・・・。

地域の学習イベントの反応が高いので引き続き情熱的に取り組んでいきます。

社内の面談力により下半期の手応えを感じます。引き続き質より量ということで大事に取り組んでいきます」

 

O塾・・・『生徒たちに本物を体験させたい』

「当社では本物プロジェクトということで、K塾のH先生に教えていただいた、クラシックライブで生徒たちに本物体験をしてもらっています。上杉家の子孫の話であるとか鎧兜を身につける体験であるとか、今後色々と増やしていければと考えています。これにより生徒たちの視野が広がって欲しいと思っています」

 

P塾・・・『小学英語で4社のツールから選ばせる理由とは?』

「中学入試はやっていませんが、非受験の小学生を集客するため、沢山の様々なツールを導入しています。たとえば英語で4社から4つのツールを導入して塾のラインナップとして、保護者や生徒にそれを選択させます。現場は大変ですが、外部リソースをいくつも導入して、それを成功させてより質の高い教育サービスを提供していければと考えています」

 

Q塾・・・『大学生の非常勤講師が講習コマを有給に・・・確信犯??』

「まず恥ずかしい話です。大学生の非常勤講師の有給休暇がありますが、夏期講習でどうしても人が足りず、問題のある学生に5日分のコマを頼んだら、引き受けてくれた直後に有給にされてしまいました。そして同じ学生から冬期講習もコマもっと出せとか言われて、たぶん出したらすぐにまた有給にされるわけで、完全に舐められています・・・。一般社員である教室長では、したたかな学生に対抗できません。最初にもっと仕事の意義とか理解させて塾の仕事に取り組んでもらわないと、同じようなことが頻発してしまいますので、皆さんもご注意ください。

生徒もこの先生だったらここまでやってもかまへんやろとか甘えが出ます。生徒に見せる先生の背中次第で、生徒の質も決まるのだと思っています。

クラス指導の時間枠を80分から55分にしましたが、比較的人件費の効率化が出来ていると思います。

ニーズを先食いしたせいか、2学期に中3と高3が集まらず、大変です。

人材確保では、内定者に会社が資金を出して検定資格などを取らせると喜ばれるので、さきほどの塾検など受けさせたいと思います」

 

R塾・・・『三つの柱が大事』

「当社では私が一番成長しなければならないかも(笑)。少し掴みましたかね?? 先程いただいた高麗人参茶は未成年が飲むと脳が良くなって、50歳以上が飲むと何に効くのでしょうか? あっもうしゃべるなってことですか?? さて、真面目な話で、当塾には三つの柱がありまして、一つは出来る子だけでなく出来ない子にも手厚く指導する、二つ目が明るく楽しく通塾出来る、三つ目が人間教育にこだわる・・・皆さんもう言いたいことはわかります。お前が人間教育って言うな!! お前が一番人間教育が必要だってことですね、はい。

当塾には『勝利の方程式』というものがあり、社員はまるで宣教師のように生徒に毎日話をしますが、大概の生徒が入塾してすぐに『まるで新興宗教みたいや』と言うのです。卒業の時の作文で『こんな偽善者ばっかりの塾、隙あらば辞めようと思ってたけど、辞めれずいつのまにか合格してた』とか『まるで偽善だけど一度騙されてみようと思ってやったら学力アップしてトップ校に合格してた』・・・そんなんばっかりです。私も授業とかHRで8割すべっても2割は笑かすようにしています」

 

G解説

中高年社員の劣化を防ぐことは出来ない。かといって若手社員を無理矢理増やしても質の低下を招くだけ。

社員の再教育は必要だが、生徒のためにはどうなのか??

トイレの改装、男女のトイレ設置、待ち合いスペースの充実などに加えて、社員と講師の働き方改革の推進も必要か?

かつてW塾が急成長した時代、塾長は自分の授業を減らして、マニュアルの整備に力を入れた。授業前の予習・みだしなみ・言葉遣い・清潔の心がけ・歯磨きと整髪など、微に入り細に入りチェック項目を作り、徹底的に学生講師を鍛えあげ、「あの塾の先生はみんな若いけどしっかりしている」と保護者に言わしめた。塾側から「あの学生講師はダメだけどこっちは比較的しっかりしてる」という曖昧で杜撰な観察と判断ではなく、出来るだけ多くの学生講師を即戦力として鍛えあげるしくみが再認識される時代が来ている。