【山本 崇雄】Core Learningに自律して取り組むために ~「Rakuten Super English Webアプリ」で自律的な学びを起こす~

新渡戸文化学園での教育改革の軸になっている3つのCで始まるキーワード。3つのCとは、Core Learning(教科の基礎となる学び)、Cross-Curriculum(教科の枠を超えた学び)、Challenge Based Learning(社会課題の解決に向けて行動する学び:以下CBL)です。前回は、子どもたちのチャレンジを支えるCore Learningとして、「Rakuten Super English Webアプリ」を取り入れていく実践を紹介しました。今回は、授業の様子を詳しく紹介し、「Rakuten Super English Webアプリ」の具体的な導入の方法をご紹介したいと思います。

 

個別最適化学習を導入する際のポイント

子どもの学習の理解度は小学4年生ごろから差が出始め、中学に入るとさらに大きく差が出てしまうといわれています。これまでの一斉授業では、どんなに理解度の差があってもクラス全員が一斉に同じことを同じペースで学ぶため、授業についていけない生徒が出る一方で、授業内容が簡単すぎる生徒も出てきてしまいます。

個別最適化学習ではEdTech(Education〈教育〉とTechnology〈テクノロジー〉を組み合わせた造語)などを活用すれば、学習者一人ひとりのレベルに応じた学習をそれぞれのペースで行えます。「Rakuten Super English Webアプリ」もこの考え方に基づいたもので、個別最適化学習を行うことができます。

ただし、どんなに優れたソフトやアプリケーションでも生徒が「やりたい」と思わなければ意味がありません。そこで、私が、「Rakuten Super English Webアプリ」など個別最適化学習を導入するときのポイントを3つご紹介します。

<個別最適化学習で「Rakuten Super English Webアプリ」を導入する際の3つのポイント>

1.学びを社会につなげる
2.できない経験をさせる
3.学びの目的を持たせる

それぞれ、具体的に説明していきます。

1.学びを社会につなげる
そもそも「学ぶ」とはどういうことでしょうか?テストや入試が目的になってしまうと「点を取ること」が目的になってしまい、学びが「自分のため」になってしまいます。テストや入試はあくまで人生の過程にあるもので、その先の社会を意識させることが大切です。「学びはいつか誰かの役に立つため」と考えたときに、学びの目的に利他的な観点が入り、モチベーションが上がります。

英語はコミュニケーションの手段ですから、社会に出て、どう英語を使うかを意識させることが大切です。英語を使って、いつか社会の役に立つ。この意識が英語を学ぶ大切なモチベーションになります。

さらに、実際に社会で英語を使っている方のお話を伺うことも、学びを社会につなげることになります。「Rakuten Super English Webアプリ」を開発した楽天は、社内公用語の英語化に踏み切り、社員の英語力が向上したことで知られています。新渡戸文化学園では、楽天の方に授業に参加していただき、実際に英語を使っている様子を生徒たちに話していただきました。生徒たちは、今学んでいる英語が、実際の社会につながるイメージを持てたようです。

2.できない経験をさせる
次に、コミュニケーションの手段として英語を使う経験をさせます。新渡戸文化学園では、株式会社With The World(五十嵐駿太社長)と協働し、フィリピンの同世代の中学生とネットでつなぐ授業をしています。その中で、コミュニケーションが笑顔を生む喜びを体験するとともに、英語をうまく聞き取れない、英語が伝わらない経験もします。このうまくできない経験を学びにつなげていきます。

この活動の良いところは、相手が同世代なので、「恋人はいる?」「好きな歌手は?」といった共通の話題で盛り上がることです。何度かやり取りする間に、お互いに名前も覚え、「もっと話したい」が生まれます。「もっと話したい」から英単語をもっと覚えたい、英文法を学びたいと、うまくできない経験が学ぶ意欲に変わっていきます。

3.学びの目的を持たせる
1.2.を踏まえて、英語を学ぶ目的を考えさせます。学ぶ目的は、一人ひとり違っていてもかまいません。「CBLでの学びを英語で発信したい」「世界の同世代の子どもたちともっとコミュニケーションしたい」といった今の学びの中での目標や、「将来英語を使って仕事をしたい」といった未来の目的も生まれます。英語検定や、テストを目的にしても良いと思います。ただ、その場合でも、テストの先にある社会を常に意識させ続けることを忘れてはいけません。

そのために、Cross-CurriculumやCBLといった教科を超えて社会につながる学びをするときに、効果的に英語の学びを取り入れていくことが大切です。Guiding Question(導く問い)、Guiding Resources(導く資料)を意図的に入れていくことで、自然と英語に触れることができます。

例えば、現在、新渡戸文化学園の中学1年生が取り組んでいるCBLは「持続可能な社会につながるカフェを運営する」です。学習を進める中で、「海外には同じようなカフェはないだろうか」「海外のカフェのメニューを見てみよう」「自分たちの取り組みを英語で紹介する動画を作ってみよう」というように、導いていきます。

これら3つを常に意識し、自律的に「Rakuten Super English Webアプリ」に取り組ませています。

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山本 崇雄 (やまもと たかお)

新渡戸文化学園英語科教諭


新渡戸文化学園英語科教諭、横浜創英中学・高等学校教育アドバイザーの他、株式会社日本パブリックリレーションズ研究所主任研究員をはじめ複数の企業でも活動。

未来教育デザインConfeito代表。

検定教科書『NEW CROWN ENGLISH SERIES』(三省堂)の編集委員。

主な著書に『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』(日経BP)、『「教えない授業」の始め方』(アルク)、『学校に頼らなければ学力は伸びる』(産業能率大学出版部)ほか。

▼『山本 崇雄』の過去記事を読む

【2020/1月】生徒のチャレンジを支える個別最適化の学習~「Rakuten Super English Webアプリ」が生徒の実践的な英語力を支える~

【2019/12月】新渡戸文化学園の教育改革~英語のCore LearningとRakuten Super English~

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