編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

【私塾REAL】特別版[緊急リポート] 教育業界の新型コロナウイルス対策

年明け1月末から急速に拡大した「新型コロナウイルスの感染」について、教育業界の対応と経産省の施策などを緊急レポートする。全国の各塾で、規模は違えど、保護者の意向を踏まえつつ、生徒第一主義の対応と対策が行われている。また、学習塾の団体も経産省を窓口として、塾運営の継続と最善の支援策を引き出している。

 

各塾で様々な通塾対応と感染防止策

受験から生徒募集、そして春期講習の時期にあたり、全国の各塾での対応も様々。首都圏のA塾は学校が休校になったこともあり、午前午後の時間帯を使い、主として学年別の「分散登校」を実施して混乱を回避している。北日本のB塾は学校の休校に足並みを揃えつつ春期講習を一週間後ろにスライドさせて実施する。C塾は元々ほとんど校舎で週の半分程度しか開校していなかったので、感染対策を徹底することを前提に平常通りの授業を実施している。

この他に、春期講習を実施していない塾が休校の後集中的に授業を実施していたり、振替授業をまとめて行ったり・・・結局、月謝の売上が丸々一ヶ月分減らないよう対策を行っている。また、授業はある程度平常通り行っているが、それをHP上に公開していない大手塾もある。いずれも余計な混乱を避ける為だが、感染防止対策は徹底している。しかし事情通のS塾長は次のように語る。「休校から授業再開しても、塾側は積極的に通塾しなさいとは言わない。あくまでも通塾するかどうかは保護者の判断に委ねる。そうしないと、万一の時に困る。また、徹底した感染防止策をしていると思っても、安心して通塾してくださいとは絶対に言えない・・・」

 

ガイドラインの策定と支援策について

JJA全国学習塾協会のHPには、3/4付の「学習塾における新型コロナウイルス感染症対策のこれまで」にはじまり、3/13付の「新型コロナウイルス感染症特別貸付について[日本政策金融公庫]」「新型コロナウイルス感染症関連経済産業省の支援策」「学習塾事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの策定について」と続き、3/14付では「学校休校に関する保護者アンケート調査結果について」を公開している。

経産省の支援策については、個別の案件として様々な事情と要件もあるので、経産省のHPから、それぞれの地域の問い合わせ先に相談して欲しいとのこと。

また、保護者アンケートで特に気になったことは、塾側が「感染症予防を徹底」するという前提条件のもとに全体の87.7%の保護者が「自分の子を学校や塾に通わせたい」という結果である。これは休校による学力格差が生ずることに対する不安の表れと見ることができる。

首都圏K塾の代表は次のようにコメントした。

「売上が大きく減少すれば支援策を受けられるし、万一の場合のキャッシュを確保することができる。返却すべき資金だが、当面それで乗り切るしかない」3月分の月謝をすでに受け取っている塾はそれを返さずに4月分の月謝にスライドさせたり、春期講習に充当させたりして売上を大きく減らさない工夫をしているようだ。今後も何が起きるかわからないので、社員の給与や講師料が出せないような授業の無料化はせず、夏までの出口戦略を見据えた経営が求められる。

経産省HPによれば、セーフティネットSN4号は3/2に全都道府県を対象に指定したのに続き、SN5号では、3/6に緊急的に40業種を追加(学習塾もこれに含まれる)指定された。前提条件があるが金利はかなり緩和されている。年度末なので、金融機関も実績を増やす為、中小企業を中心に営業をかけているので、迷惑電話と捉えず優遇措置や要件等の説明を聞いた上で今後について相談をしておきたいものである。

1 2