【出口 汪】コロナで動く教育業界 生き残りをかけて私学が採るべき策とは

未曾有のコロナショック 私教育業界に何が起こるのか

コロナ騒動で、「出口式みらい学習教室」も3月に続いて、4月も休校措置を採ったため、募集時期でもあることから、経営的には大変困難な状態である。しかし、出版、教育業界では大きな地殻変動が起きようとしている。

私が経営する水王舎ではこのたび、UUUM株式会社と業務提携を締結した。UUUM株式会社は人気YouTuberの大多数をプロデュースする事務所で、noteにも出資している。出版、教育業界の今後を見据えた時、ネットを中心とした新しいシステム構築が急務だと考えたからである。

 

“勝ち馬に乗るために” noteにみる教育・出版の変化

ところで、noteをご存じだろうか?

実際にnoteに記事をアップし始めて、恐ろしい事態になると気がついたのだ。私は今出版社を経営しているが、これからはほとんどの出版社、取次、書店の経営が今まで以上に厳しくなるのではないか。この問題は単に出版業界に留まらず、日本の業界地図を大きく塗り替えるかもしれないので、私なりの予想を記しておくことにする。

まず誰にでも指摘できることは、本や新聞を読む人がめっきり減ったということである。実際、電車に乗っていても、大方は熱心にスマホを覗き込んでいるばかりである。新聞が読まれなくなると、新聞社は広告収入が断たれることになる。若い人たちはテレビよりもYouTubeを見るようなので、当然企業は新聞やテレビよりもYouTubeの方により広告を出稿することになる。広告代理店も先行きが見えなくなる。

さらには電子書籍の出現、Amazonなどネット書店の繁栄により、書店で購入する人の数がどんどん減っていく。取次は大量に返本し、そのしわ寄せが出版社の方に廻ってくる。こうした状況がより深刻になっていくのは、まさにこれからなのである。

しかも、今後プラスになる材料がどこにもない。おそらく多くの書店や出版社が次々と倒産し、一定の数に間引かれてようやく細々と経営を維持できるのではないか。そこにnoteの出現である。

今までよほどの実績がないと、商業出版をすることができなかった。しかも、出版社の意向が反映され、著者は自由に書きたいものを書くわけにはいかなかった。ところが、noteでは誰もが文章を書き、それを販売することができるのだ。一冊の本を書き上げるには膨大な時間がかかるが、noteでは一つ一つ記事として書き、それをまとめて有料で販売することも可能なのである、また面白い記事はTwitterやFacebookを通じて、どんどん拡散されていくことになる。それらをまとめて、一般書として刊行することも自由である。誰でも簡単に、好きな文章をお金にすることができる。もちろん写真やマンガ、絵でも構わない。

これからの時代は自分のコンテンツを自己の財産として所有することである。それをビジネスに変える手段がどんどん出現している。そのことに気づいた人が、これからの時代勝ち馬に乗ることができる。

たとえ著名な著者であっても、出版社から本を出せば、その版権は自分のものではなく、出版社のものとなる。しかも、10%程度である。ところが、noteでは、著者が直接読者に販売するのだから、手数料を除いてほとんどが著者の取り分となる。出版社のように在庫を抱えることもないし、取次から返本されることもない。第一、書店に運ぶ必要さえないのである。もちろんnoteは出版社とも協力体制を敷いている。各出版社はnoteで公表された記事を刊行することができるのだ。私も今後は教育に関するコンテンツを次々とnoteで発信していく。

自己紹介ー今後noteを中心に情報発信します|出口汪|note

出版社を経営している立場としては、何とも恐ろしい時代になったと思う。そして、媒介を通さずにクリエイターが直接ファンにコンテンツを届けるという形態は、出版に留まらず、私が関係している教育業界でも同じなのである。

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